松本若菜「偽善者と思われるんじゃないか」 “骨髄移植”を依頼される難役に葛藤も
本作では、余命2年と宣告されるも骨髄移植で命を救われた樋口さんが、自身の実体験をもとに企画・原案・主演を務めています。白血病の青年と、ドナーとなる女性の目に見えない絆、そして二人を支える人たちの葛藤を描いた“いのち”の物語です。松本さんは、骨髄移植を依頼された、優しくも強い意志を持った一児の母・桜井美智子を演じます。
この役のオファーを受けた経緯について、松本さんは「正直、ふたつ返事ではなかったです。女優として、このお話を受けることで“偽善者と思われるんじゃないか”。そういうことを思ったのは事実です。そこで悩んだりもしました」と、正直な思いを吐露。
オファーを受けるべきか悩んだ上で、「私は演じること、表現することがお仕事なんだから、それをするのがなぜ悪いんだろうという考えに変わって。その後、監督や(樋口)大悟さんの言葉を聞いてその熱量の高さに、何か私もお手伝いできるのかな、という気持ちになりました」と説明しました。
■松本若菜「あえて“死”という言葉を選んだのかな」
そして、この役を演じるにあたり、「天使のように見えるようには、したくなかった」と語った松本さんは、「実は、私が勝手にセリフを変えてしまったところがあったんですよ」と告白。
「(ドナー提供を心配する夫に向かって)劇中で、『だって私がいなかったら死んじゃうかもしれないんだよ』というシーンがありましたが、あれ、本当は『助からないかもしれないんだよ』というセリフだったんですよね。だけど、美智子が『死んじゃうかもしれない』と言った方が、響くんじゃないかなと思ったんです。家族の前だから、あえて“死”という言葉を選んだのかなと思って。だから、私の中でもあそこのシーンは記憶に残っているというか、印象に残っていますね」と明かしました。
イベントには、脚本・監督を務めた両沢和幸さん、本作のプロデューサーで出演者でもある榎本桜さんも登壇しました。