柴咲コウ「10年フランスで過ごしている女性を違和感なく」 全編フランス撮影の苦労と成長
黒沢監督が1998年に劇場公開した同タイトルの自作を、フランスを舞台にセルフリメイクした本作。愛する娘を何者かに殺された男が、柴咲さん演じるパリで働く日本人の心療内科医・新島小夜子の協力を得て犯人探しに没頭し、復しゅう心を募らせていく物語です。
今回、自作をリメイクすることになり「リメイク版では主人公を女性にすることで、オリジナルとはまた違った要素が加わったと思います」とコメントした黒沢監督。
続けて、「主演をやってくれる人がいるのだろうかと不安でしたが、柴咲さんに声をかけ、出演いただけることになり、やったー! という気持ちでした」と喜びを口にしました。
柴咲さんも今作のオファーに「黒沢監督から声がかかると思っていなかったのでうれしくて。フランスにも行けるということで不純な動機で引き受けました」と出演を即決した理由を明かしました。
■全編フランスでの撮影、苦労と成長
全編フランスでの撮影となった今回の映画。柴咲さんは「10年フランスで過ごしている女性を違和感なく演じるのには苦労しました」と言葉の面での苦労を語りました。
その一方で、「撮影の後半では、だんだんとフランス語で話すスタッフの会話も理解できるようになり、成長を感じられたのは楽しかったです」と撮影を振り返りました。
また、日本とフランスでは制作現場の雰囲気も全く違うようで、柴咲さんは「フランスは居心地がいい。議論ができて、仕事がしやすいと思いました」と感想を述べました。
黒沢監督もフランスは肌に合うとのことで、その理由を「日本人より気持ちのいい面はありますね。たとえば、“今日は妻と演劇に行くから仕事を早く切り上げて帰りたいんだ”というスタッフがいると、周りの人はそれを受け入れる。日本ではなかなかないことだと思います」と明かしました。