IMP.基 俊介が“学生アカデミー賞”に学ぶ『CG制作』体験取材【IMPress.】
■20秒の作品を作るのに、約1か月
SNSに投稿されている動画。食卓に置かれたバランスゲームの上に1つ積み上げると、まるで意思を持ってバランスを取るかのように動き出しました。実は、これフルCGで作られたアニメーション。モーションキャプチャーで動きを収録しそれをCGで作ったバランスゲームに合成したもの。
基 俊介さん
「よろしくお願いします」
金森 慧さん
「よろしくお願いします。CGアーティストの金森です」
この作品を作ったのは金森 慧さん、23歳。作品について聞くと。
基 俊介さん
「フラフラしているうちに箱とかペンとかにもぶつかるじゃないですか?」
金森 慧さん
「実は全部CG」
基 俊介さん
「全部CG!? この部屋存在しないんですか!? こわ」
映っているもの、全部CGなんです。この20秒の作品を作るのにかかった期間は、約1か月。緻密でリアルな作品にこだわる金森さんは、今年10月…
金森 慧さん
「学生アカデミー賞というアニメーション部門で銀賞を受賞して日本の作品で学生アカデミー賞を受賞するのは初めてのこと」
基 俊介さん
「え!? もっと言いふらしていい」
■学生アカデミー賞で銀賞を獲得 世界を驚かせた作品
『モンスターズ・インク』のピート・ドクター監督や『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のロバート・ゼメキス監督など過去に名だたる監督たちが受賞した“学生版オスカー”とも呼ばれる学生アカデミー賞。
金森さんはそのアニメーション部門で銀賞を獲得。世界を驚かせたのが「Origami」という作品です。生命が誕生していくかのように正方形の紙がさまざまな生き物に折られる様子を表現しています。
金森 慧さん
「一番こだわったのはカエルとかお花とか、画面に映っているものは全て正方形の紙で折れる」
リアルな折り紙を表現するためにこんな工夫も…
金森 慧さん
「例えばこことかも間の間隔が微妙にズレてる、手で自然に折ったかのように見せるためあえてズラしている」
「小学校の時からずっと折り紙が好きで3Dアニメーションも折り紙とCGが似てたっていう理由で始めたという変わったバックグラウンドがあって、自分の原点に返ろうと思って折り紙をテーマにした。折り紙という日本の文化をテーマにした作品が世界の場で評価されて本当にうれしかったです」
■AIでは絶対に作れないという確信
最近では、将来AIがクリエーターの仕事を奪ってしまうのではという見方も出てくる中、金森さんはこの細部へのこだわりこそが重要だと言います。
金森 慧さん
「僕の『Origami』の作品はAIでは絶対に作れないという確信があって。今まで誰もやったことがないことなのでマネしようがないというか、AIが学習する元のデータがない。AIはそれっぽいのは作れるけど決して本物は作れない。今回、学生アカデミー賞で受賞させてもらったのは文化の本物を表現するという姿勢を評価いただいたのかな。本物が評価される限りAIというのは決してクリエーターの役目を奪っていくものではない」
■IMP. 基 俊介がCG制作に挑戦 キャラクターにIMP.の楽曲の振り付け
そして、今回、金森さんと一緒に簡単なCG作品を作らせてもらいました。球体で作った犬のキャラクターにIMP.の楽曲の振りをつけてもらいました。
基 俊介さん
「ハンドサインがありましてこれをCGに落とし込めないかな」
金森 慧さん
「キャラクター作るって指まで作らずにシンプルにいこうと思ってた…」
指で「I」「M」「P」を表現している形は、意外と作るのが大変そうです。
金森 慧さん
「球体を作ってもらって小指の位置に。なんかこれで頑張れそうな気がする」
長く伸びた球体を指にします。親指のPの部分は、関節を表現するため3つ組み合わせれば…
基 俊介さん
「関節の再現ってすごくないですか?」
金森 慧さん
「ちょっとこの犬の顔に合わなくなって…」
そして、約30分かけてCGが完成。そこに金森さんが加工を施し、犬がIMP.の振り付けをする作品ができあがりました。
(12月10日放送『Oha!4 NEWS LIVE』より)