立命館大学院教授の千葉雅也 同性愛の目覚めを描く『エレクトリック』【芥川賞候補作】
千葉雅也さん(c)新潮社
第169回芥川・直木賞が19日に発表されます。その発表を前に、純文学の中・短編作品に贈られる芥川賞の候補作の1つ、千葉雅也さん(44)の『エレクトリック』を紹介します。
舞台はインターネットが普及し始めた1995年。ネットに初めて接続した高校生の主人公・達也はゲイのコミュニティーサイトにアクセスし、未知の世界に触れていく。題名にもなっている「エレクトリック(電気)」をモチーフに自らの性と生を切り開こうとする姿が描かれています。
千葉さんは、1978年、栃木県宇都宮市生まれ。東京大学大学院博士課程を修了。2019 年発売の『デッドライン』で第 41 回野間文芸新人賞を受賞、芥川賞ノミネート。2021 年発売の『マジックミラー』で第45 回川端康成文学賞を受賞し、単行本に併録された『オーバーヒート』が芥川賞ノミネート。今回が3度目のノミネートとなりました。