ヨシタケシンスケ 絵本作家デビュー10周年 大切にしていることは「人の意見を聞かない」
ヨシタケさんは、2013年に絵本作家としてデビュー。『りんごかもしれない』(2013年)や『ぼくのニセモノをつくるには』(2014年)などの“発想えほん”シリーズをはじめ、作家としても活躍するお笑いコンビ・ピースの又吉直樹さんとの共著『その本は』を発表するなど、様々な作品を手がけています。
その年に最も支持された新刊絵本30冊を決定する『MOE絵本屋さん大賞』では、2015年から2018年まで4年連続で1位を獲得しました。
■絵本作家デビュー10周年「ジーンとしちゃいました」
――10周年を迎えられた心境はいかがですか?
10年前に初めて絵本を描かせていただいた時は「絵本を描いてみませんか」って言われて、自分に絵本は描けるとも思っていなかったし、描きたいとも思っていなかったですけど、最初に作ったのをすごく楽しく作ることができて、そしたら「2冊目もやっていいよ」って言われて、気がつくと10年やらせていただいていて、正直本当にこんなに長いことで「次もやっていい」って言ってもらえると思っていなかったので、本当にもう運がいいなとうれしい、ありがたい。
――10年を振り返って、印象に残っている体験はありますか?
この間仕事でお会いしてお話しした人が、社会人に成り立ての方で、「私、中学生のときにヨシタケさんの本を見たんです」って言っていて、僕の絵本を読んで育った子が今社会人になっているっていう。大人になると10年ってあっという間なんですけど、子供にとっての10年は世界が変わる長さなので、その間ずっと僕の本を覚えていてくれたというのはすごくうれしいし、どこで誰が読んでくれているか分からないというのは、改めてすごく感じて、何かちょっとジーンとしちゃいました。
――幼い頃にヨシタケさんの本を読んだ方が、子どもに読んであげるという未来があったら…
絵本に携わる人たちの1つのゴールというか、次の世代まで残るというのが1つの夢になっているんですけど、そういうところに可能性を残せたら、子供の本に携わる身としてはうれしいですね。