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新人作家の登竜門『岸田國士戯曲賞』 加藤拓也と金山寿甲が受賞

2023年3月17日 21:50
新人作家の登竜門『岸田國士戯曲賞』 加藤拓也と金山寿甲が受賞
(左から)加藤 拓也さん(撮影:小笠原真紀(c)anan)、金山 寿甲さん(撮影:田中大介)
演劇界の芥川賞といわれる岸田國士戯曲賞の選考会がが17日に行われ、 加藤拓也さんの 『 ドードーが落下する 』と金山寿甲さんの 『 パチンコ(上)』 が受賞作品に選ばれました。

岸田國士戯曲賞とは、劇作家・岸田國士の遺志を顕彰すべく演劇界に新たなる新風を吹き込む新人劇作家の奨励と育成を目的に設置された賞で新人劇作家の登竜門とされることから、「演劇界の芥川賞」とも称されています。

授賞式は 4月 25日 東京神田錦町 ・學士會館 にて行われる予定です

選考委員のコメント
『 ドードーが落下する 』
落ちてゆく売れない芸人を扱いながら、その明るさが怖い。その不気味な明るさは人の行為の不気味を生んで秀逸である(岩松了)

『 パチンコ(上)』
金山氏の「帰化したら在日ネタできなくなるじゃん」と軽々と言ってのける姿勢に、マイノリティを弱者として扱わせない覚悟を垣間見、すべてをエンタメにしてやろうという作家としての欲深さを感じ取った。何より、世界が勝手に「傷ついてるだろう」と思い込んでる側からの、「いえ、別に傷ついてませんけど?」という返し。ハッとさせられた。作品に頻出する「葛飾区」というワードには、自分が生まれ育った場所からカウンターストーリーを生み出してやろうという野心が見て取れる。全候補作のなかで、唯一ストリート感が匂い立ち、私はそういう作品を 支持したいと思った。受賞、おめでとうございます。 (本谷有希子)