コクーン歌舞伎開幕、勘九郎「心の栄養に」
歌舞伎俳優の中村勘九郎さん、中村七之助さん、尾上松也さんが、11日に開催された「渋谷・コクーン歌舞伎 第十七弾『夏祭浪花鑑』」(東京・Bunkamuraシアターコクーン)のオンライン取材会に出席しました。
浪花の市井の人々を描いた『夏祭浪花鑑』はコクーン歌舞伎で1996年、2003年、2008年にも上演されている人気演目。
当初は6日に開幕する予定でしたが、緊急事態宣言を受けて延期となり、12日に初日を迎えます。
勘九郎さんは「この大変な状況の中、幕を開けることができて、とてもうれしいです。この祭りの火が消えなかったというのは、私たち役者としても、次に進むステップの一つになったんじゃないかな」と心境を告白。共演者に視線をやりつつ、「世の中、ホント大変ですけど、お客様一人ひとりの心の栄養になるように一致団結して、超楽しいお祭りを見せますんで、楽しみにしてください」とアピールしました。
七之助さんも「いろいろな方々のお考えがあると思われますけど、演劇は止めてはいけない、と私個人は思っております。(演目は)お祭りです。久しぶりに、こういうお祭りの音を聴いたなと。腹の底に眠っている人間の魂の震えみたいなのがあるんですね。これを聴くだけで元気になります」と思いを語りました。
勘九郎さんの息子・中村長三郎さんも出演します。長三郎さんの様子を聞かれると、勘九郎さんは「空間を楽しんでいる姿を見て、いい経験なんだなぁと思いました」と報告。
また、演出・美術担当の串田和美さんの方を少し見て、勘九郎さんは「歌舞伎役者で“何でもいいよ”“何でもやって”っていう(串田さんの)演出を受けたことが、彼の後々の人生に大きなプラスになっていくんじゃないかなと思いますし、いろんなことを吸収して、楽しんで自由に舞台空間に存在しているので、親としてもうれしいですね」と明かしました。