アスリートを称賛する“庭師ロボット”
競泳の日本女子初の2冠を達成した大橋悠依選手をたたえ、大橋選手の泳ぎをモチーフにしたイラストが7月29日に東京・上野恩賜公園で描かれました。
描いたのは、4台の大きなロボットアーム。縦4メートル、横19メートルの砂利をキャンバスにしてアスリートの“動き”の軌跡を描く屋外アート作品『THE CONSTANT GARDENERS』です。手掛けたのはイギリスの芸術家集団で、枯山水の石庭の砂紋を整える庭師に着想を得て作られました。
この作品は、オリンピック・パラリンピックが行われている東京を文化面から盛り上げるためのプロジェクト『Tokyo Tokyo FESTIVAL』のプログラムの一つで、競技スケジュールに合わせて毎日違う種目のイラストを描き、パラリンピック閉会式の9月5日までに約120種目が制作される予定です。
実は、このロボットアームは産業用のもので、以前は自動車の製造工場で使われていました。この作品のために新たなプログラムを組み込み再利用することで、SDGsにもつながる作品だといいます。
この作品の責任者でクリエーティブディレクターのジェイソン・ブルージュさんは「アスリートの動きと庭師の動きには共通点があって、どちらも高度に磨き上げられた“職人技”があると思っています。いま私たちは(コロナの影響で)大変な日々を送っていますが、(この作品を通じて)家族や友人との話題の一つにでもなればうれしいです」と話しました。