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中村梅玉 父の言葉を胸に舞台に立つ

2021年9月1日 22:19
中村梅玉 父の言葉を胸に舞台に立つ

歌舞伎俳優の中村梅玉さん(75)が、東京・歌舞伎座で行われる『九月大歌舞伎』第一部「お江戸みやげ・須磨の写絵」(9月2日初日)に出演。公演に向けて心境を語ってくれました。

九月公演の第一部は、梅玉さんの父、六世中村歌右衛門二十年祭と成駒屋の七世中村芝翫十年祭と銘打った一門が出演する公演です。

戦後の歌舞伎界で、女方の最高峰と呼ばれた六世歌右衛門さん。舞台に立つ心境について梅玉さんは「父が偉大な存在で歴史に残るような歌舞伎役者ございます。その舞台姿をご存じない方も多くなってきております。演目を通じ六世歌右衛門の面影をどこかにイメージしていただけると私と弟(中村)魁春で(舞台を)勤めますけども、なによりもの親孝行になると思ってます」と語りました。

女方として昭和の歌舞伎界をけん引してきた六世歌右衛門さん。どんな俳優だったのかを聞くと「歌舞伎400年の歴史の中で1つの時代を作りあげた歌舞伎役者だと思ってます。一生を歌舞伎の芸にささげた人ですけども、普段はものすごく無邪気な人で、動物が好きで、あとぬいぐるみを毎日持ち歩いて楽屋入りしていたくらい無邪気な感じの人だった」と俳優、そして父としての一面を振り返りました。

そんな偉大な父からかけられたある言葉が今でも残っているという梅玉さん。「“大舞台に乗る品のある役者になれ”と言うことが一番の教えだったような気が致します。無邪気な人でしたから教えみたいなことはまったくありませんでしたけども、ともかく舞台を大切にしろというその言葉が一番思い出に残っている言葉ですね」と明かしました。

【中村梅玉】
・六代目中村歌右衛門の養子となり、1956年 加賀屋福之助を名乗り初舞台。1967年には八代目中村福助を襲名。1992年 四代目中村梅玉を襲名する。立役として活動しています。