【独自分析】自民党総裁選、推薦人のメドがたった5人の「強み」は? 経験、刷新感、支持…5要素で比較
9月27日に投開票される自民党の総裁選。立候補には同党国会議員20人の推薦人を確保する必要があり、取り合いのような状況です。出馬に向けて11人の名前が挙がる中、推薦人20人の確保の見通しが立った5人について、日本テレビが独自に分析しました。
「自民党の総裁選挙に立候補するためには、20人の国会議員の推薦人が必要ということです。20人というのは、どのくらい大変なのでしょうか?」
小栗泉・日本テレビ解説委員長
「投票権を持つ自民党の国会議員は367人いるので、20人くらいは簡単だと思われるかもしれませんが、かなり高いハードルです」
「推薦人はかけ持ちができません。推薦する人にとっては、もし推した人が勝てば、その後の人事などで良いポストに就けるかもしれませんが、負けてしまったら候補者もろとも、新たな政権の間、ずっと干されるかもしれません」
「推薦人にならなくても投票はできるので、皆慎重になります。今は、いわば推薦人の取り合いのような状況になっています」
藤井キャスター
「『私は誰の推薦人にもならないですよ』という自民党の国会議員もいるのですね。(立候補者に向けて)11人の名前が挙がっていますが、現状で20人の推薦人を集められそうなのは、誰でしょうか?」
小栗委員長
「小泉進次郎さん(43)、小林鷹之さん(49)、河野太郎さん(61)、石破茂さん(67)、林芳正さん(63)の5人です」
「一方で現在推薦人集めに奔走しているのが6人。高市早苗さん(63)は日本の伝統的な考え方を重んじる保守の論客で、小林さんと支持層がかぶるという指摘があります」
「また今回、派閥の縛りがなくなったことで影響を受けているのが、茂木敏充さん(68)です。同じ茂木派から加藤勝信さん(68)が出馬に意欲を示していて、茂木派の議員を奪い合う格好です」
「同じように上川陽子さん(71)も、同じ岸田派から林さんが出馬する見通しのため、苦労しそうです。他に、斎藤健さん(65)や野田聖子さん(63)も推薦人集めをしています」
藤井キャスター
「推薦人20人の確保のメドが立っている5人には、それぞれどのような強みがあるのでしょうか?」
小栗委員長
「日本テレビ政治部が『経験』『刷新感』『議員の支持』『世論の支持』『外交力』の5つの要素で、独自に分析・比較しました」
「小泉さんは、刷新感や世論の支持が高いことが強みですが、閣僚経験は環境大臣だけなので、経験不足が指摘されています。小林さんは刷新感は高く評価されていますが、小泉さんと同じく閣僚経験は経済安保大臣の一度だけです」
「河野さんはバランスが取れているのが強みです。自身の派閥のボスである麻生太郎さんのお墨付きも得て、議員の支持も一定程度見込める一方、逆に派閥の支援を受けていることがマイナスに働く可能性もあります」
「石破さんは閣僚や幹事長を何度も務めた経験や、世論の支持が高いことが強みです。ただ自民党の議員からは『石破さんだけは支持できない』という声も結構多く、党内の支持が課題です」
「林さんは現職の官房長官を務める経験や、外務大臣も務めた外交力が強みですが、世論調査での支持が高いとは言えません」
藤井キャスター
「このような争いがスタートしているところですが、どう見ますか?」
水野美紀さん(俳優・『news zero』火曜パートナー)
「今は派閥にネガティブなイメージしかなく、本気でそこを変えていこうという人がいるのか注目したいです。一市民としては、物価高や円安、消費税など生活に直結するところが新しいトップでいい方向に行ってほしいなと祈るばかりです」
藤井キャスター
「自民党の総裁選の投開票は9月27日に決まりました。1か月以上をかけて、事実上の日本のリーダーを決める戦いが繰り広げられます」
(8月20日『news zero』より)