ドリカム×櫻井翔 有観客ライブへの思い
嵐の櫻井翔さんが出演する『news zero』で15日、DREAMS COME TRUEと櫻井さんの特別鼎談が放送され、コロナ禍での音楽活動、SNSで広がる今の音楽マーケット、エンタメ界の若者たちへの思いなど、3人がさまざまな心境を赤裸々に語りました。
DREAMS COME TRUEの2人が『news zero』に出演するのは、2015年にテーマ曲『AGAIN』を手がけて以来6年半ぶり。吉田美和さんがテレビの取材を受けることは珍しいですが、5年ほど前からプライベートでも親交があるという櫻井さんがインタビュアーということもあり、吉田さんが「笑っちゃう。照れるね」と笑顔を浮かべ、和やかな雰囲気の中スタートしました。
まずは、コロナ禍での音楽活動について語り合った3人。現在約1年10か月ぶりに有観客でのライブツアーを開催しているDREAMS COME TRUEですが、それまでは活動が制限され、アバターで楽曲を披露するオンラインイベントなどを開催していました。
櫻井:去年僕たちでいうと“砂のお城”を作っているじゃないけど、作っても崩れちゃう。これ作って意味あるのか?でも作らないといけない…そんな日々だったじゃないですか。どう気持ちを持っていきましたか?
吉田:毎日押し潰されていました。だって歌っちゃいけないんだもん。歌うことがお酒を飲んで騒ぐことと同じくらいやっちゃいけないことのトップになったときは、本当にどうなっていくんだろうと思って…。でも今は少し遠くに光が薄く差している中を手探りで歩いているから、歩きやすくはなってきたのかな、去年よりは、とは思う
■ツアー初日に2人が見せた涙…櫻井「涙が出そうになるくらい羨ましかった」
10月からライブツアー『ACOUSTIC風味LIVE総仕上げの夕べ2021-2022』を開催しているDREAMS COME TRUE。初日公演の本番直前には「どういう気持ちで(ステージに)上がったらいいか全然わからないよ…」と不安そうな表情を浮かべていた吉田さんの姿が。ステージに上がり観客の目の前に立った瞬間2人は感情があふれ出し、涙を見せました。鼎談を行うにあたり、櫻井さんはこのライブを鑑賞していました。
櫻井:オープニングで涙されていたじゃないですか。美和さんどんなお気持ちでした?
吉田:何せ生まれて初めてのああいう経験だったので、自分がどうなるか全然想像もつかなかったから、でも(お客さんの)顔見たら涙がばーっと出てきて。さざ波のように“声なき笑いや涙”がすごく伝わってくるなと思った
櫻井:無音の大歓声…涙出そうになるくらい羨ましかったですよ、本当に
中村:ライブをやっている自分と重なっちゃったんじゃないですか?
櫻井:去年僕たちが見られなかった景色だったから、羨ましいなと思って見ていました
中村:そういう意味で、業界全体もどんどん知恵を積んできていると思う。そういうものを我々も導入してやっている感じですね
■“SNS時代”の音楽業界「ネコの5秒の動画に嫉妬したりする」
櫻井:最近の音楽の環境でいうと、SNSとかTikTokとかそっちでバズった曲がものすごい広がりを見せるじゃないですか。今の音楽のマーケットをどう捉えていますか?
吉田:マサくんが頑張っている。でも全然広がらない(笑)
櫻井:そんなことないでしょ
中村:いやそんなことあるの。全然バズらないし、面白いぐらい。ネコの5秒の動画にめっちゃ嫉妬したりする(笑) だけど音楽をやりたいとかダンスもそうだけど、表現をしたいって人が、ガジェット1つで頑張ると世界に届けられるんだよね。それって素晴らしい世界じゃない?嵐も結構ウェブ系とかSNS系とか…
櫻井:去年やりましたけど、結構難しいですよね
中村:どんなところが難しかったの?
櫻井:音楽1つとっても、例えばイントロなんてなくて、すぐサビでっていう、ストリーミングのセオリーみたいなものがあるじゃないですか。それに乗っかることもできるけど…
中村:乗っからないの?
櫻井:いや、たぶん乗っかった曲は1曲くらいありますけど、古いかもしれないですけど、J-POPというところになじむのかなと思うところもありますし、特にお二人はご自身でお作りになってるからこそ、考えることもあるんじゃないのかなと思ったりするんですけど
吉田:(曲の)サイズ自体とかあまり気にしてないね。2人で一応トークのワントピックに上がったりするけど、結局そこまではやってないよね
中村:吉田美和の作品が、そういうのに全然合わないですよね。だけれども詞の一片がバズってほしいなとはいつも狙っているので。でもなんか楽しくない?歌や作品を伝えたりという意味では、すごく僕はワクワクします
■3人が語るエンタメ業界の若者への思い「景色が違う」
1991年から4年に1度開催されているスペシャルライブ『ドリカムワンダーランド』。DREAMS COME TRUEの2人は、開催地のダンサーたちがステージに立つことができる取り組みを行ってきました。
櫻井:エンターテインメントに関わる人たちの育成と言っていいのか、後々花開くようなことを考えながらやられていますよね
吉田:やっぱりドームとかアリーナとかって、景色が違うじゃないですか。ステージから見る景色って。あれを本当見せてあげたい。なるべくたくさんの地方とかにいる、でも頑張ってエンターテインメントに関わっている子供たちとか若者たちに
櫻井:めちゃくちゃわかります
吉田:その一心でずっとやっている
中村:そう考えるとジャニーズJr.もそうだよね?
櫻井:本当にそうです。僕1996年のV6先輩のコンサートが初めてなんですけど、13歳とかでコンサートなんか見たこともない中で、最初に見た景色がオンステージのペンライトの海だった。「こんな世界あるんだ」って本当衝撃でしたよね。だから去年(嵐が開催した)国立競技場しかり、東京ドームでの年末ライブしかり、やっぱりJr.についてもらいました。美和さんと同じ「見ておいてほしい」って。(その思いは)年々強かったですね
■常に第一線で走ってきた2人…変わらないこだわりとは
30年以上エンターテインメント業界のトップを走り続けてきたDREAMS COME TRUE。長年の活動の中でも、ずっと変わらないこだわりを、吉田さんが力強く語りました。
吉田:絶対このメロディーには本当にこの言葉しかないし、“これが最良だ”と思えるところまで突き詰めること。私たちが「ここだ」っていうものを、どんな曲も必ずそこまで絶対やる。それはずっと変わってないかな