人気ゲーム『VALORANT』の世界大会が日本初開催 3万7000人超が熱狂
■タクティカルFPSゲーム VALORANTとは
『VALORANT』とは、プレーヤーが5対5で対戦するFPSゲームです。対戦するマップはそれぞれ特徴のある7つのマップから選択され、攻撃側5人と防衛側の5人の計10人のプレーヤーで、固有の特殊能力を持つキャラクターを操作。銃撃戦だけでなく能力の使い方も含めた戦略的な選択や柔軟なアイデアを駆使して勝利を目指します。1試合は前半後半12ラウンドずつで構成され、先に13ラウンド先取したチームが勝利となります。12-12とスコアが並んだ場合にはオーバータイム(延長戦)に突入し、2ラウンド差がつくまで勝負を続けます。
ラウンドの取得条件は主に3つ。攻撃側と防衛側で条件が異なります。
【両方】1ラウンドの制限時間、1分40秒の間に相手チームを倒しきる
【攻撃側】制限時間内にマップの決められたエリアに爆弾を設置、設置後は起爆まで守りきる
【防衛側】制限時間内で生存し、攻撃側に爆弾設置をさせない。設置された場合は起爆までに爆弾を解除する
■日本チームは出場できず…しかし3万7000人超が観戦
6月11日から25日の約2週間の日程で実施された今大会は、EMEA(ヨーロッパ、中東、アフリカ地域)、アメリカ、アジアパシフィック、中国のリーグを勝ち抜いた全12チームが出場。日本のチームはアジアパシフィックのリーグに2チームが参加していましたが、今大会の出場3枠をかけたトーナメントでTOP3に入ることができず、出場することはかないませんでした。
日本チームの不在は大会の運営にとっても不安材料の一つになっていたといいます。しかし、会場には連日多くの観客が訪れ、2週間で3万7000人を超える観客が熱いバトルを観戦。登場キャラクターのコスプレをしたり、配布された専用ボードに推しの選手やチーム名を書いて応援したり、さらには世界トップレベルの選手が魅せるスーパープレーや連携、1対2や1対3といった人数不利を覆すクラッチプレーに熱狂し、歓声を送りました。
訪れた観客は…
・チームが優勝したときの盛り上がりが、今まで見たことないくらいだったので感動した(10代女性)
・隣の人の歓声やいろんな人が一緒に応援しているのを見ると来てよかったと思った(30代女性)
・配信より前に選手の声やグータッチを見られて、ここに一緒にいるんだとテンションが上がった(20代男性)
・熱狂や選手のパフォーマンス、盛り上がりを(感じられて)来られてよかった(20代男性)
・現地に来られて、生で選手を見ることができて、とても満足(20代男性)
■日本人ファンの愛が大会開催のきっかけに
こうした日本人ファンの“VALORANT愛“が日本での大会開催につながったと、大会を主催したRiot Games のEsports部門COO、ウェーレン・ロゼルさんは言います。
ロゼルさん:ゲームをリリースしたときから日本は重要な市場だと考えていて、また、これまでの大会では、視聴者数が午前3時などのとても早い時間にもかかわらず20、30万人いたんです。そのことから日本には情熱的なファンがいる、彼らはeスポーツとVALORANTを愛している。日本でイベントを行うべきだと考えました。そして18か月前に「ぜひ東京でMastersを」と構想を練ったんです。この大会は私たちの努力の集大成で、成功させることができてとてもうれしいです。
■満員の観客が熱狂したグランドファイナル
王者を決めるグランドファイナルに進出したのは、前回の国際大会で優勝したEMEA代表のFNATICとAmericas代表のEvil Genius。試合は3マップを先取した方が勝利となるBo5(Best of 5)の形式で行われました。
結果はEMEA代表のFNATICが圧巻のパフォーマンスを見せ、マップカウント3-0でEvil Geniusに勝利しました。最後のマップとなった第3マップ・バインドでは、先に12ラウンドを取られ、7-12とマッチポイントを握られる苦しい展開に陥りながらも、そこから7ラウンドを連続で取得。最終スコア14-12と、逆転勝利で優勝トロフィーを掲げました。
国内初のVALORANTの大会から実況を担当するなど長年eスポーツに関わり、今大会では実況と会場リポートを担当したeスポーツキャスターのOooDaさんは、日本で世界大会が行われたことについて、
OooDaさん:十数年の自分の一つの目標みたいなのが、「まあ半ばないだろう」って思って生きていたので、やっぱり十数年前から、いつか世界大会が日本で行われて、そこの舞台にどんな形でも携われたらいいなというのは夢見てきたことなので。まず一つ、そこがかなったなっていうのと、僕ひとりとRiot Gamesさんの力だけじゃなくて、ここまで連れてきてくれた選手やチームのファンの皆さんのおかげなので、間違いなく、そこはまずありがとうと。まあでも目標はまだまだあるので、例えば日本チームがそこに出て優勝して、いろいろな夢があるんですけども、まずは1段階、素晴らしい景色を見させてもらっているなって思っています。