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17周年ガールズバンド・SCANDAL、楽器初心者から“女性最長バンド”に

2023年9月2日 22:45
17周年ガールズバンド・SCANDAL、楽器初心者から“女性最長バンド”に
ギネス世界記録認定後、インタビューに応じたSCANDAL
2023年で結成17周年を迎えた4人組ガールズバンド・SCANDAL。その長年の活動が認められ、8月21日には“同一メンバーによる女性最長活動ロックバンド”として、ギネス世界記録に認定されました。認定された直後のHARUNAさん(35)、MAMIさん(33)、TOMOMIさん(33)、RINAさん(32)の4人に、バンドの17年間を振り返ってもらいました。

■楽器は指名制 結成から1週間で初ステージ

2006年8月21日に大阪・京橋のダンス&ボーカルスクールに所属していた4人によって結成されたSCANDAL。当時中高生だった4人は、スクールの意向でバンドを組むことになったといいます。楽器初心者の4人に専任講師はおらず、楽器経験のあるスタッフにチューニングなどから基礎を教わる形で始まりました。当時、ステージに立ちたい一心で、本番までの1週間、1日12時間の練習を続けたといいます。

――“バンドを組んでください”と言われたときの心境は?

HARUNAさん:すごく興味はありました。楽器をやったことがなかったので。新しいことに挑戦できるんだっていう、うれしさはありました。(披露するのは)1曲だけだったんですけど、スクールの発表会のオープニングアクトで披露するチャンスをもらって。でも「1週間で1曲弾けるようにならなかったら出さないよ」って言われてたので、とにかく1週間頑張りました。

――担当楽器は挙手制だったんですか?

MAMIさん:いや、「あなたはこれをやりなさい」と(スタッフに)言われて。「ギターを持ったらMAMIは面白そうだから」って言われてギターをやることになりました。

――それで今まで続けているのが本当にすごいと思います。

TOMOMIさん:根性だけはありましたね。スクールでも、ずっと怒られながらやってきたので、ダンス時代から。根性だけはあったので、辞めない、というやり方でやってきました。

HARUNAさん:多分それが今でも続いてる。

RINAさん:やめないし、“できるまでやったら何でもできる”という精神で頑張ってます。でも楽しかったよね。毎日知らないことを知れて、できるようになる。4人とも0の同じスタートラインから始まっているので。“今日はイントロまで弾けたね”とか、本当に同じ分量の喜びとしてシェアできてて、それがすごく大きかったんじゃないかなと思います。

■結成17年のSCANDAL、長続きの秘けつ

10代の時から“根性”で続けてきたという4人は、人生の半分以上をSCANDALとして過ごしてきました。気づけばガールズバンドとしては世界一の活動期間に。解散や休止もなく、長く活動し続ける秘けつを伺いました。

――人生の半分がSCANDALというのはどんな感じでしょうか?

MAMIさん:人格をこれから形成していくであろうっていう年齢から始めていたので。本当にSCANDALとともに自分の感性だったり、感覚だったりとか。そういうものが構築されてきているなっていうのはすごく思うし、青春だったし、人生だなって思います。SCANDALじゃない自分をもはや想像できない。こういう人生があったなとか思うことがないというか、できないに等しい感じ。もう本当に人生がSCANDALそのものだなって思います。

――「SCANDALじゃなかったら何の仕事をしてますか」という質問はどう答えますか?

MAMIさん:思いつかないんですよ。ほんっとにバンド以外、SCANDAL以外をしたことがないので、想像つかないですね。でも違う人生でもSCANDALしてそうな気がしますね。

――17年間で解散・休止を考えたことはありましたか?

HARUNAさん:具体的には“ないな”って思います。それぞれがいろんな局面で悩んだり苦しかったりは絶対あったんですけど、でも4人でいることを絶対的に選んでやってきたので。そういう話になったことは今まではないですね。

――長続きの秘けつは何だと思いますか?

RINAさん:絶対に“これだ”みたいなのは本当に分かんないんですけど、誰かがしんどい時に他のメンバーで助け合って、ちゃんと誰も置いていかずに救い合って進んできたなって思ってて。その人間性を4人が持ててたからなのかなって思います。例えばどこかで解散しちゃったとしても、こんな気持ちを持てる相手って、そうそう出てこないなって。この関係性を奇跡的に作り上げられたっていうのが全てなのかなって本当に思います。

RINAさんの“奇跡的な出会い”という言葉にうなずくSCANDAL。17年間で一番の思い出を聞くと、MAMIさんは結成14年を迎えた2020年のコロナ禍、ファン・観客の存在を再認識する出来事があったと話してくれました。

――今までで一番印象深い出来事はなんでしょうか?

MAMIさん:2020年の8月21日は、コロナまっただ中でライブができなくなって。自分たちの活動も先が見えにくいというか、どう音楽を届けていいか分からない。元々2020年はアルバムを持ってワールドツアーを回る予定だったんですけど、それも全部なくなってしまって。その中で配信ライブをしようっていうことになって。やっぱりライブってお客さんが目の前にいてくれて、声があって温度があって、自分たちもその中でやってきたことだったから。カメラしか前にいなくて、その異様な空間に死ぬほど緊張しました。それがわりと私は印象に残っていて。でも何かその経験があったからこそ、もう何でもできるかもしれないなって思ったし、もしそれがずっと続いて、今もそういう配信でしか音楽を届けられないってなってたとしても、今は大丈夫だっただろうなって。

■初期のファンは「本当に心強い味方」

17年の歴史を多くのファンたちと歩み続けてきたSCANDAL。デビュー当時から、SCANDALとともに育ってきた長年のファンたちの存在について伺いました。

――長年のファンへメッセージいただけますでしょうか

TOMOMIさん:この間のイベント(17周年記念ライブ)でも、すごい初期の方から来てくれているファンの方が1列目にいてくれたりとかして、感慨深かったですけど。私たちは子供の頃からバンドを続けてきてるから、本当にどんどん変わり続けてきたと思うんです。だから自分が好きになった時の私たちと、今の私たちって、きっと全然違ったりするのに。それでもずっと応援してくれて、見に来てくれて、大切なイベントには1列目で見てくれたりとか、その気持ちが本当にうれしいなって思うし。(SCANDALは)自分たちの人生そのものなので、初期のファンの方たちは人生を肯定してくれているような気がしていて、本当に心強い味方だと思っています。