中村獅童、息子・中村陽喜&中村夏幹の初舞台への思い 「稽古はあまり見ないように…」
■『六月大歌舞伎』見どころ
今回の『六月大歌舞伎』は、中村萬壽さん・中村時蔵さんの襲名披露狂言や、中村梅枝さんの初舞台、そして獅童さんの息子・陽喜くんと夏幹くんの初舞台が興行され、萬屋総出で舞台に挑みます。
――今回、息子2人の名前が変わって初舞台となりますが、父親として心境いかがですか?
こうして(息子たちの初舞台を)歌舞伎座でやらせていただけるということは非常にありがたいですし、私自身も6演目中、4演目出させていただいて。全て初役なので、自分のことで精一杯。子供は病気することなく楽日まで元気よくやってくれればいいかなと思っています。
――獅童さんとしての見どころはどういった部分になっていますか?
書き物、舞踊、演目『魚屋宗五郎』は世話物。色々なジャンルのお芝居があるということと、私ども萬屋一門、そして播磨屋親戚、いわゆる小川家勢揃いです。小川家は、歌舞伎界一、人数が多いんですよ。子供も合わせると結構な人数なのですが、それが総出演します。また、それぞれ襲名がございますけれども、その名前への襲名・初舞台というのはまさに一生に一度のことなので、同じぐらいの年齢のお子さんをお持ちの方はぜひ、親子連れで見ていただけたらと思います。
――4役を全て初役で勤めるのは大変ですか?
いや、もう覚えるのに精一杯ですよ。尾上菊五郎兄さんに4月の末、ご自宅でお稽古をしていただいたりしました。
■陽喜くん&夏幹くんの初舞台
――陽喜くんと夏幹くんも、稽古が始まっていると思いますが、現時点で期待してもらいたい部分や不安はありますか?
見ているとついつい言いたくなっちゃうので、今、なるべく僕が教えないで、他の方のところに教わりに行ってやるようにしてるんですけれど。感情的になっちゃうので、まだあまり見ないようにもしていて。教わった通りに元気よくやってくれればと思います。
――『中村陽喜』、『中村夏幹』という名前になるまで、名前に色々候補があったとうかがいました。どのように決まったのでしょうか。
“何がいいかな”というのは、陽喜とは相当相談しました。陽喜は、“中村寅年がいい”って言うので「寅年以外の時に寅年だとおかしいけど、それでもいいのか」って聞いても、しばらく“それでいい”って言ってたので、本当に寅年にしようかなと思ったんですけど。“でもはるくん、それ大人になってから後悔するよ。寅年じゃない時も寅年ってずっと呼ばれるんだよ”って言ったら、考え方が改まったみたいで。結局本名の『陽喜』がいいということで。
――もしかしたら、獅童さんのお名前が受け継がれることも、将来あるかもしれないですよね?
歌舞伎役者を続けていればね。やる気がなくなった時はもうやめた方がいいから。やる気があって、将来に向かって突き進んでいきたいという気持ちがあるのであれば、いずれ譲る時が来るかもしれないですね。
■子煩悩な父・中村獅童 子供のかわいいところ
――陽喜くんも夏幹くんも、歌舞伎が好きなようですが、稽古しているときと普段の様子は違いますか?
普段はふざけてますよね。どんどんやんちゃになってきて。歌舞伎役者だからということはなく、普通の6歳と3歳の子供らしい子供じゃないかなと。
――最近、かわいいなと思った出来事を教えてください。
きつく叱ったあと、“さすがに今日はこれだけ怒ったから一緒に寝ないだろうな”って思っても、陽喜なんかは必ず“絶対パパと寝る”って言うところなんかは“かわいいな”と思います。