日仏共同制作アニメーション映画『化け猫あんずちゃん』 カンヌ国際映画祭で公式上映
カンヌ国際映画祭に併設されている部⾨である『監督週間』は、作家性を重視した作品が選出され、世界で活躍する映画監督の登⻯⾨として知られる⾮常に注⽬度の⾼い部⾨。⽇本の⻑編アニメーション作品としては⾼畑勲監督の『かぐや姫の物語』、細⽥守監督の『未来のミライ』に続く6年ぶりの選出(配給会社発表)で、⼭下監督、久野監督共に本作で初のカンヌとなりました。
今回の上映に久野監督は「カンヌのお客さんと見るのが本当に初めての体験だったので、染み入りました」と感無量の様子。山下監督も初めてのスタンディングオベーションに「どうしていいかわからなくて、自分で拍手していました。でもうれしかったです」と明かしました。
■山下監督「野外上映に向いていそう」日本での上映にも意欲
また、今回はカンヌ国際映画祭『監督週間』にとっても初の試みとなるカンヌの地元の小学生180人を招待しての上映(配給会社発表)となりました。
間近で子どもの反応を見て山下監督は「日本ではこういう機会はないと思うので、すごくリアクションがあったのでうれしかったです」とコメント。記者からの"日本でも、もし機会があれば”と言う言葉にも「なんとなく野外上映に向いていそうな気がするので、日本でもこういう機会をどこかで作れたら」と意欲的な姿勢を見せ、久野監督も共感していました。
■久野監督「本当にくらってしまったな」 カンヌでの上映に圧倒
最後に、カンヌでの上映で得たものを聞かれると、山下監督は「今年48歳なので、もし20代で経験したら人生狂うかもなっていう感覚なんですけど。今なら数日すれば普通の淡々とした日々に変わるだろうなって。でも、またカンヌで上映できたらなという可能性がお互いにあるので、これからの景色が変わっていくと思います」と回答。
この回答に久野監督は「私にとっては初の長編作品だったので、本当にくらってしまったなという気持ちがあります」と心境を語りました。そして「これはある種ラッキーだと思っていて、もしこのラッキーが、また景色が見られたらうれしいと思うので、これを糧に頑張りたいです」とカンヌでの上映で決意を新たにしました。