『君たちはどう生きるか』オスカー獲得 アメリカで高評価の理由は 映画評論家が分析
■“作品力”で獲得したアカデミー賞
日本の作品が長編アニメ映画賞を受賞するのは、同じく宮﨑駿監督の『千と千尋の神隠し』以来21年ぶりの快挙です。松崎さんは「アメリカにはディズニーなど大手の(アニメの)スタジオがいっぱいある。興行に関するマーケットの広さも違うし、広告にかける資金力も全然違う。映画会社の力で候補になったのではなく、“作品力”なんだろうなと思う」と、作品自体の力が評価につながったといいます。
■“こんな表現見たことない”アメリカで評価される理由
作品が評価された点について松崎さんに聞くと「日本の観客が宮﨑監督のアニメーションを見たときに、過去の作品と比較しがちだと思うんですけど、アメリカの観客からは『こんな表現を見たことない』のような感想が多いんです。例えば、鳥がたくさん飛んでいて変化していくというような表現が、ハリウッドのアニメーションにはないらしいんですよね。見たことないものに対するワクワク感やアニメーション表現に、すごく感動してる方々がいらっしゃる」と日米での受け取られ方が違うことも支持された要因になっているといいます。
続けて「特に最近はハリウッドの大手が作るアニメーション映画はコンピューターで作るものがすごく増えているので、昔ながらのような2Dに近いようなアニメーション表現に対して、我々が感じている以上に高い評価をしている」と、高評価の理由を分析しました。