【インタビュー】hideさんを演じたJUON「できることを全てやらないと顔向けできない」 役を通して感じたこと
■hide役・JUON「うれしいという気持ちが勝った」
1998年、33歳の若さでこの世を去ったhideさん。映画では突然、hideさんを失ったバンドメンバーやスタッフたちが主役不在のままライブをやるのか、CDを出すのかなど、苦悩と葛藤が描かれ、JUONさんはカリスマ的人気を誇ったhideさんを演じました。
――hideさんを演じることにプレッシャーは?
冷静になればなるほどプレッシャーを感じちゃうんですけど、でもプレッシャーよりも、うれしいという気持ちが勝ったという感じでしたね。
■JUON「できることを全てやらないと顔向けできない」
JUONさんは15歳でメジャーデビューし、2003年にロックバンド・FUZZY CONTROLを結成。その後、DREAMS COME TRUEや稲葉浩志さん、スガ シカオさんのサポートギタリストとしても活躍。2019年には舞台『BACK BEAT』に出演し、俳優としての活動も広げていますが、実は15歳の時に一度映画に出演したことがあるといいます。
――数十年ぶりに出演する映画がhideさんに関する作品になったことについて
本当に光栄ですし、自分が音楽一筋でやってきていたので、10歳の頃からギターを始めて音楽ばかりやってきたので、同じギタリスト、ボーカリストとして昔からhideっていう存在は、やっぱり自分の中でずっといて、歩んではきていたので。自分の中でhideの役が来るっていうのは、不思議というか。来ると思って生活をしてなかったんですけどね。できることを全てやらないと、これは顔向けできないなっていう思いがありました。
――hideさんを演じる上で心がけたことは?
変にいろんなことを難しく考えないで、ひたすら誠実にいるっていうことをすごく心がけていました。今でも僕たちの心の中にhideの音楽って優しく寄り添ってくれているじゃないですか。そういう思いをちゃんと曇りなく、クリアな形で誠実に思って、演技、演出していくというところを心がけていました。
――どのような役作りをした?
ライブDVDとか、YouTubeとか、アルバムとか。片っ端から聴いたりして、実際にhideの曲を家でコピーしたりして、練習したりして、hideの心に近づいていったという。難しく考えたら、たぶん一歩も進めなくなるんじゃないかなという感じでした。
■JUON hideさんは“音楽のお守りみたいな存在”
――映画に出演してhideさんに対する印象は変わった?
自分がこれから音楽の人生も歩んでいく中で、完全に音楽の心、自分の心の中の“音楽のお守りみたいな存在”になっちゃっていますね。
――hideさんの存在は心強い?
心強いですね。だから、これから自分が吐いていく言葉だったり、メロディー、ギターの音色だったりとか、そういうところにどこかでhideがそのメロディーに魂が通ったような気になる、そんな気持ちにはなっているので非常に心強いです。
――JUONさんにとってhideさんはどのような存在?
“永遠のギターヒーロー”ですね。自分はギターボーカルなので、これからやっていく音楽の中でも、一緒に歩んでいきたい(存在の)hideなので、もうずっと心の中に寄り添いながら一緒に歩んでいきたいなって思っちゃっているので。ある意味パートナーみたいな感じですね、心の。
――hide役を通して感じたことは?
本当に人が好きな人なんだなっていう。“人を思いやる心の持ち主”なんだなって思って、そういう人間性だからこそ、いまだに僕たちの心の中に生き続けている。僕ももっとそうじゃなきゃいけないなって勉強になります。