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元宝塚トップ・紅ゆずる、最終面接後に撃沈?「ではなく感動して泣いていた」受験時のエピソード語る

2022年10月13日 21:01
元宝塚トップ・紅ゆずる、最終面接後に撃沈?「ではなく感動して泣いていた」受験時のエピソード語る

宝塚歌劇団・星組トップスターの紅ゆずるさん。宝塚同期から寄せられた人柄を表すワードは「誠」と「両極端」だった。自作の俳句を披露したという音楽学校受験時のエピソードも……。熱烈な宝塚ファンである日本テレビアナウンサーの安藤翔アナ(妻が元タカラジェンヌ)、中島芽生アナ(宝塚音楽学校を4回受験)の2人が迫った。(第2幕:・中・後編の中編)

■役作りは「作っては崩しの繰り返し」

(安藤アナ):役作りはどんなところから考えてやっていくのですか。

最初に台本を読んだ時のイメージを結構、忘れがちなんです。そのイメージをどこかに書いておく。色々考えていくうちにそこからどんどんズレて「あんた誰?」のようなことになる時もあるんです。その時に最初、自分がこの台本から得たインスピレーションはあながち間違ってないことが多い。「ちょっと違うところに来たぞ」ということで軌道修正して、そこからまた掘っていく。もう作っては崩して作っては崩しを繰り返すんです。

あとは、自分よりも周りの方のセリフから自分の人物を浮かび上がらせる方が圧倒的に多いです。自分が発していることは何か意図があるかもしれないし、嘘かもしれない、素直に言っているかもしれない。分からないじゃないですか。でも周りから受けている印象は、本当の姿を言っていることが多いんですよね。どう思われているかという人間関係から探っていく役作りをします。

(中島アナ):役作りというよりは人間関係をどう築くか、そういう本質に迫っていくようなことなんですね。

役作りでいつも思うのは、私は自分勝手だなと思う。「ここまでこの人を思うことができなかったな」とか「なぜこれに気付けなかったんだろう」とか。あ、こっちだって思った時に「この人のことを思っているから、この役はこう言ったんだ」という時に、私はそこまで至らなかった、と。いつも役から教えてもらうことがたくさんあります。自分を振り返る時間でもあるのかなと思いますね。

(安藤アナ):次にやってみたい役はありますか。

なんでしょうね。「トラウマで覆い隠されそうな人」のような役もやってみたい。暗い役のような、自分と全然違うものをやってみたいなと思います。

(中島アナ):確かに明るい元気なお役が多い印象があります。

だから結果的に私は、自分で命を絶ってしまうような役とかの時はのめり込むんですよ。考える時にグワーッと。それってとても「役を生きている」感じがする。もちろんコメディーはコメディーで楽しいんですけど。

でも基本的に、自分がやってみたいこととは別に「その役?」と思う役から勉強させてもらう方が意外と多いと思いますね。自分のことは意外と自分が一番分かってないから。

(中島アナ):自分の性格についてはどうみていますか。

人見知りなんです私。人見知りをしてないように見せるプロなんですよ。私のことをよくよく知っている人は「頑張っているね」と言う。でも自分としては、すごく頑張っているつもりないんですよ。楽しいことは好きだし。でも自分は繊細なんやなとは自分で分かっています。差が激しいんですよ。「行け~!」みたいなところと繊細なところが両立していて「あんた誰?」。そんな感じなんです。

■同期が明かすエピソード

(中島アナ):今回、紅さんをよく知る方から紅さんについてお話を伺っています。まず、お1人目、鳳翔大さん(元雪組スター、紅さんと同期)から。紅ゆずるさんの人柄・性格を一言で言うと何でしょうと伺ったところ「誠」と。その点で実感したエピソードを伺いました。

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誠実なのと昔から新撰組が好きなので!

さゆちゃん(紅さん)と言えば面白いとか愉快なイメージもあるけど本当に優しく人に対しても舞台に対しても誠実な人です。

学校時代によく一緒にふざけて遊んでいた事が多いけど、さゆちゃんはいざとなれば頭の回転も早くしっかりしているし優しくて頼れる存在でした!
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ありがとうございます。ちゃんと言ってくれている、大ちゃん。新撰組、大好きなんです。ロマンを感じる。別に武士の出とかでもないのに、壬生浪士組から始まってですよ。そこから自分たちで誰かに支援してもらえるわけでもなく、自分たちでのし上がっていこうとする。忠義と信念が格好いいな、そこまでいけるぐらいの精神力。素敵だなと思います。

(中島アナ):さらに鳳翔さんに退団後に交流したエピソードを伺いました。

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さゆちゃんが卒業後すぐに黒木瞳さんのコンサートで共演したんです。

最初知らなくて発表があった時はめっちゃ嬉しかったし桜乃彩音ちゃんも一緒だったので同期話で盛り上がり楽しかったです!
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そうなんです。ゲストに呼んでいただいて、その時に宝塚退団して「ここはどこ?」のようなピヨピヨの私を迎えてくださった上級生の方と同期がいたんです。同期って本当にばかも言えるし、どういう面を見せても大丈夫みたいなところはありますね。みんなの弱みを知っているからこそ。完全に身内なので(同期が)活躍するとやっぱりうれしいですね。

(中島アナ):続いては蓮水ゆうやさん(元宙組スター、紅さんと同期)からいただきました。紅さんの人柄・性格一言でいうと「両極端」。

ああ、そうだね。よくわかってる。ちーちゃん(蓮水さん)わかってる。

(中島アナ):それを実感したエピソードをいただきました。

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宝塚受験の最終試験の面接の時に一人ずつ試験場に入るので他の子は廊下で順番を待つのですが、みんな緊張しているからそれをほぐそうとしてくれたのか、紅(私はさゆちゃんと呼んでます笑)が面白い話をしたりしてみんなを笑わせてくれて、私も「面白い子だなー試験の前にこんなにリラックス出来ていてすごいなー!」と思っていたんですが、いざ本人が入って出てきたらまるで別人のように撃沈していて笑。

どうやら一句読んだらしいのですが試験官の先生方の反応がいまいちだったと…。さっきの元気はどこに行ったの?と言うくらい撃沈していました笑。サービス精神旺盛で何でもやっちゃうぜ!みたいな大胆な人かと思いきや実は中にものすごく繊細な面があるイメージ。それ故にとても空気を読むんですよね。

でも急に周りがえぇ!?って言うような破天荒さも見せる。

その両極端な性格が共存してるのが彼女の面白いところかな〜と。でもやっぱり音楽学校の時から同期にも先生方にも好かれていたので当時からカリスマ性があったと思います(^_^)そして、とても優しい子です
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ありがとうございます。いや、受験の時の話はこれ、ちーちゃん間違っているんですよ。私、うわ~っとしゃべっていたのは緊張している子をこんな間近で見ることがなくて。「緊張してる。宝塚入りたいからや。友よ!」みたいな感じでうれしいと思って。

宝塚を受けたい人たちがこんなにたくさんいて、宝塚大好きな人たちがいることがうれしくて。で(部屋に)入ったのはいいんですけど、自分の考えてきた俳句忘れたんですよ。3次試験の先生方の前で。ずっと考えてようやく思い出して、何回も何回も言ったら「もういいですよ」って言われて。「ありがとうございました、入ったら頑張ります!」と。その後に、撃沈したんじゃなくて感動して泣いていたんです。

撃沈じゃなくて「ありがとう!3次試験」。噛み締めた。全てが終わったから、後はもうジャッジを待つのみ、ということです。

(中島アナ):私も受験しましたけど、そんな余裕ないです。

1回落ちていたらそうなったかも。初めてだったんですよ。だからもう、うれしくてしょうがない方が勝っちゃったんですよね。だから、落ちてもう1回受験しようと4回受けられたと聞いて、(中島アナは)すごい精神力だと思いますよ。私は1回で受かって「よくすごいですね」と言われますが、もはや奇跡です。

(中島アナ):喜びのあまり泣いていたということだったんですね。

そう。感無量で。その後は校舎を触りまくる。触りまくって「待ってろよ、待ってろよ」という感じではあったけれど、(合否は)わからないじゃないですか。そういう気持ちもありながらということでした。

(後編に続く)

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アプレジェンヌ 〜日テレ大劇場へようこそ〜』は日テレNEWS24のシリーズ企画。元タ カラジェンヌをお招きし、日本テレビアナウンサーで熱烈な宝塚ファンである、安藤翔アナ(妻が元タカラジェンヌ)、中島芽生アナ(宝塚音楽学校を4回受験)の2人が、ゲストの宝塚時代・退団後の生き方に迫ります。次回ゲストは「花組のアニキ」と慕われた瀬戸かずやさんと9月に退団したばかりの飛龍つかささんです。