元宝塚トップ・紅ゆずる、「紅5」の夢は武道館――家族より濃厚な5人の絆は「縁側5」まで
■東京公演のロビーで「紅5」誕生
(中島アナ):このお二人がそろったというと、ファンは大好きなあの「紅5」。こちらイラストにもなっております。
(紅さん):いやすごい!似てるなあ。
(天寿さん):リーダー、似てる。
(中島アナ):そもそも「紅5」はどういう経緯で結成されたのでしょうか。
(紅さん):聞けば聞くほど馬鹿らしくなりますよ(笑)。東京公演のロビーで開演前にウォーミングアップしていたんです。そうしたら、その時に水夏希さんを中心とした「AQUA5」という劇団公式ユニットで『六甲のおいしい水』のアンバサダーのポスターがあるんですよ。今をときめくそのスターさんたちがポスターに写っている。で、いいなと。「なんでAQUA5って言うんやろうな」と言っていたら、隣に美弥と壱条がいて「水さんだからじゃないですか」と。
そっか、「じゃあ私やったら紅5やな」と言っていたら。紅5いいな、いい響きや「作りたい!」となって、そこにたまたま通りかかった如月と天寿を仲間に入れた。その時から地下活動って呼んでいたもんね。楽屋のアイドルだったんですよ。誰もファンはいなかったけど。
(天寿さん):誰もご存じないですよ。勝手に自分たちで言っていただけ。
(紅さん):いや、みんな知ってたけどさ、ファンにはなってくれなかったよね。なりますとか、適当で。私たちの良さを分かってなかった。
(天寿さん):「ハイハイハイ」ぐらいに流されて。
(中島アナ):でもそこからいろんな活動をして。
(紅さん):入り出(待ち)で別に頼まれてもいないんだけど、ペットボトルにサインを5人書いて抽選でファンの方に差し上げたり、グッズを勝手に作って大盛り上がりしたりしてね。
(天寿さん):うちわでね。盛り上がりましたね。あの時は。
(紅さん):それである日、何でもやってもいいよって仕事が私に来たんです。「え? 何やってもいいんですか」となって、これはもうついに(地下から)地上に上げなければならないじゃないかってことで。紅5を紹介したんですよ。
(中島アナ):テレビの番組?
(紅さん):そうです。
(天寿さん):冗談かと思いました。信じられます? 楽屋内で盛り上がっていた話がテレビに出させてくださるきっかけを。
(紅さん):わくわくしたね。地下水のようにば~って。噴水ですよ、ば~んって。
(中島アナ):でもそれが人気になってコンサートをするまでに。
(紅さん):そうなんですけど、いろんな話があってカッコいいって言うと収まらないんですよ。我々。なんだかマヌケなんだよ。
(天寿さん):マヌケですよ。究極に。
(紅さん):紅5のメーンテーマの曲があるんだよね。その曲全部、作曲の先生も振り付けの先生も歌詞の先生も全員ノーギャラです。ノーギャラでもうボランティア。ボランティア活動で皆さん作ってくださって、紅5のことをやった続きで歌稽古とかを仕事にしてくれたから、私たち歌を稽古できたんだよね。
(天寿さん):そうでしたね。
(紅さん):という感じで皆さんのご慈悲とご協力のもと成り立っている地下アイドルです。
(中島アナ):そこまでにしちゃうのが、紅さんのパワフルさ。
(紅さん):でもみんなもすごかった。すごい勢いでした。「やっちゃいましょうよ!」「ほか何かないですか」みたいな。「欲しがるね」みたいな感じでしたね。
メンバー3人からのメッセージ
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【壱城あずささん】
リーダーへ
リーダー元気ですか?絶対元気ですね!!笑。阪急電車で爆睡していた紅ゆずるさんに出会ってからもう20年以上になりますね。こうして改めてリーダーのことを文章に書くといつも私の宝塚人生はリーダーのおかげで本当に幸せだったなーといつも感謝が溢れます。
リーダーとビックリするくらい些細なことで爆笑できる日々はしんどいこと全て忘れさせてくれました。これからもたくさん楽しい思い出を一緒に作ってくださいね。これからも「紅ゆずる取り扱い説明書」が必要な時はいつでも発行しますのでおっしゃって下さいね。笑。
ブルーより
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みっきーへ
本当に本当に本当にお疲れ様でした。みっきーは自分の体を犠牲にしても必ず周りの人を助ける子やから相当辛かったこと、しんどかったこともたくさんあったと思う。もうアンパンマンやったら与えすぎて顔ないよ。笑。
これからはたくさん自分を甘やかせて思い切り優しくして労ってあげてね。それでこそ「ドラッグストア」でしょ!!みっきーが現役中はなかなか会えなかったから今度ゆっくり会おう!!話したいこと山ほどあるぞー!!
『ブルー』より(またの名を)『いそいそ出掛けるピギャール相方』より
【美弥るりかさん】
もう出会ってから20年ぐらい経ちますが、初めてお会いした時は宝塚の男役さんになる為に生まれてきたような格好良さがあって驚いたのを今でも鮮明に覚えています。
最近ではSNSなどの、誰にも真似できない様な言葉のチョイスにオリジナリティがあっていつも楽しみに拝見しています。見た目の美しさと面白さのギャップが更にパワーアップされていますね!
さゆみさんと言えばやはり「紅5」での活動が濃厚な時間で、私にとっても宝塚時代の大切な思い出となっています。朝のウォーミングアップでたまたま揃った5人がユニットを作り、地下活動から最後はファンの皆さまの前でライブまでできるようになるなんて思いもしませんでしたが、今でも5人の絆が続いてる事に感謝しています。
こんなにも大切な仲間と思えるのはさゆみさんが私たちやファンの皆さまの想いを感じ、いつも温かい気持ちで接してくださるおかげだと思っています。ありがとうございます。
グリーンが卒業し、全員がOGになりましたね!状況が落ち着いたらまた5人で再会したいです!
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てんてん卒業おめでとうございます!そして長い間本当にお疲れ様でした。
てんてんの真摯に向き合い培ってきた男役の姿は本当に眩しくて、全て出し切る舞台上での表現力に心から感動しました。下級生の時から縁があって、よく2人で新人公演やバウホールのお稽古場で芝居について話し合ったり、一緒に練習したね。
いつも自分の信念を大切にしつつ、人の気持ちにも寄り添りそってくれる優しい心に私も何度も助けられていました。本当にありがとう。これからは第二の人生の始まりだね!
新しい日々もてんてんらしく自由に、そして、新しい経験をたくさんして素晴らしい人生を送られることを心から願っています。
【如月蓮さん】
リーダー! アプレジェンヌ、楽しんでいらっしゃいますか? 紅5イエローのスベリジェンヌ如月蓮です!
今まで数々の奇跡を起こしてきたリーダーですが、中でも『紅5』は、宝塚に新たな風を巻き起こした伝説といえるのではないでしょうか。 休日返上はあたりまえ。そこまでやるか!?というくらい本気で紅5を楽しんでいましたね。撮影の裏側まで余すことなく面白くて、あの頃はずっと笑っていた気がします。
視聴者の皆様にも応援して頂き、異例のコンサートを実現した時の感動は忘れられません。リーダーには何度感謝しても足りないくらいなので、ここでも言わせてください。本当に、ありがとうございます!
あーまたみんなで遊びたいなぁ。先日たこ焼き器を買ったので、みんなでタコパできたら楽しそうですね。 『紅5でたこ焼き5!』次は5人で屋台でも開きましょうか。笑 そろそろリーダーのロングハンドチョップが飛んできそうなので、この辺で失礼します。ではまた!
ダジャレン攻撃、イエローの如月蓮でした。
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グリーンへ!!
宝塚卒業おめでとうございます!! 天寿光希さんは貫禄があって頼りがいのある上級生のイメージですが、紅5のグリーンは真逆の激甘最下級生。兄達から常に可愛がりを受けている末っ子キャラです。
先日も、紅5のグループLINEでグリーンの卒業をお祝いしました。するとグリーンからこんなお返事が。「今まで歩んでこれたのは1番しんどかった時に紅5の兄たちにしごかれまくったおかげでござぃます 」…はい、その通りです! 笑。
長い間、組やチームに貢献してきたので、これからは“フリーダムにランダムに”羽を伸ばしてほしいと思います。 でもやっぱり紅5でいるときは、私達の面倒をみてくれないと困るので、フリーダムすぎる兄達を、これからも宜しくお願いします!
イエロー如月蓮より
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(紅さん):いやグッときますよ。やっぱり。それだけ濃厚。何でしょうね。家族みたいな、家族よりちょっと濃厚かな。家族より濃厚ってどんなって感じですけど。
(天寿さん):おっしゃる通り。5人でしか味わっていない経験をいっぱいさせていただいているからこその。
(紅さん):しかも、こういう時に大体誰がこういうことを言うかわかっているんですよ。
(天寿さん):そうなんですよ。不思議と。キャラクター被ってないですからね。
(紅さん):だいたい嫌なことは全部、天寿がさせられる。進んでやっていくよね。現役中はもう何かしら紅5ってずっと言っていたんですけど、やっぱり退団しちゃってみんなそれぞれの時間になると、紅5LINEはあるものの、そんなに起動しないんですよ。なので3人はここにはいないけれど、なんかこう同じ空間を作るようにしてくださって、本当にありがとうございました。
(安藤アナ):天寿さんにも温かいメッセージが届きました。
(天寿さん):びっくりしました。私にまで本当にありがとうございます。兄たちありがとう。うれしいです。
■「還暦5」は全員“赤”で
(安藤アナ):天寿さんも今、指輪の色も緑ですし、意識されている部分はありますか。
(天寿さん):これ(紅5)をきっかけにグリーンは大好きになりました。おかげさまで。
(紅さん):グリーンめっちゃ好きで、家もグリーンなんですよね?
(天寿さん):そうですね。カーテン意識して。ほんとだ。だからやっぱりきっかけを作ってくださっている。
(紅さん):本当にちょいちょい上げてくるやん。きょうは。
(安藤アナ):グリーンは自ら選ばれたんですか。
(天寿さん):そんな訳ない。
(紅さん):いや、もう全て我々が。もう「いいよな」「はい」。みたいな。
(天寿さん):もう有無を言わさず、余り物でしたよね、グリーン。
(紅さん):いや余り物じゃないです。考えましたよ、ちゃんと。ちゃんと考えましたよカラー。美弥ちゃんは絶対黒やろって感じで、如月漣さんはもう底抜けに明るいから黄色。壱条ちゃんはブルー。ここからすごいブルー好きで。大切なことがあった時は必ずブルーを着ますから。
(中島アナ):皆さんにとって紅5がホームになっているんですね
(紅さん):そうかもしれない。
(天寿さん):うれしいですね。帰る場所がある。
(中島アナ):これで皆さんOGになられたということで、ファンの方も紅5に集まってほしいという話もあります。
(紅さん):やりたいですね。夢は武道館ですから。でも、すみません。持ち歌2曲しかないです。大募集中です!いつかね。だって「還暦5」やろうって言ってるもんね。還暦5は全員赤なんですよ。
(中島アナ):紅さんが60歳になる時にみんなで集まると。
(紅さん):そうです。みんなに無理やり赤を着せて。その先は「縁側5」でと言ってます。
(安藤アナ):ぜひ紅さんからも天寿さんにOGになりたてのメッセージを。
(紅さん):やっぱり宝塚に長い間いたじゃないですか。私も同じ年数いたんですよ。なので急にポンッって出て「どうしたらいいの」という感じだと思うんですけど。そのうち馴染んでくるから。
(紅さん):そう。20年弱いたのに。なかなか難しいと思うと思うけど、そのうち馴染むし慌てずに。私たちもいるし、誰にでも相談したいいと思う。
(天寿さん):はい!心強い言葉、ありがとうございます!
(中島アナ):頼もしいですね。アニキはやっぱり。
(天寿さん):本当に一緒にいるだけで、なんでこんなに楽しいんでしょうね。
(紅さん):わかんないね。もう最高ですわ。
(後編に続く)
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『アプレジェンヌ 〜日テレ大劇場へようこそ〜』は日テレNEWS24のシリーズ企画。元タカラジェンヌをお招きし、日本テレビアナウンサーで熱烈な宝塚ファンである、安藤翔アナ(妻が元タカラジェンヌ)、中島芽生アナ(宝塚音楽学校を4回受験)の2人が、ゲストの宝塚時代・退団後の生き方に迫ります。次回ゲストも元星組トップスターの紅ゆずるさんです。