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元宝塚トップ・珠城りょう、公演中の痛恨ハプニング明かす 暁千星が血相を変えて呼びに…

2022年8月17日 20:10
元宝塚トップ・珠城りょう、公演中の痛恨ハプニング明かす 暁千星が血相を変えて呼びに…

宝塚歌劇団・月組トップスターの珠城りょうさん。若くしてトップに就任した珠城さんに在団中の思い出を聞くと、公演で自分の出番に出遅れるハプニングを明かしてくれた。また、男役のこだわりや同期からのエピソードとは……。熱烈な宝塚ファンである日本テレビアナウンサーの安藤翔アナ(妻が元タカラジェンヌ)、中島芽生アナ(宝塚音楽学校を4回受験)の2人が迫った。(前・編の前編)  

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珠城さんは愛知県出身、10月4日生まれ。2008年に94期生として入団し2016年、月組トップスターに就任。包容力あふれる舞台姿とダイナミックなダンスで組を牽引し、2021年に退団されました。その後もドラマや舞台など幅広いフィールドで活躍されております。
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(中島アナ):今日のお衣装、スカートをはいてきてくださったんですね。

はい。スカートをはいてきました。

(安藤アナ):男役さんはパンツ姿のイメージがあるので新鮮です。

今までなかなかお仕事でスカートをはく機会がなかったんです。早くスカートをはいてくれというファンの方々の声が本当に多くて。今日はスカートにしてきました。男役のファンは「まだスカート姿、見たくないわ」という方が多いと勝手に思っていたので意外なんです。私のファンの方は逆でした。

(中島アナ):(スカートは)はき慣れましたか。

スカートの方が楽なので、オフでは結構はいています。なので、もうだいぶ慣れています。

■『All for One』で痛恨の出遅れ

(中島アナ):在団中のことについて伺っていきたいと思います。思い出に残っている公演や、今だから話せるハプニングはありますか。

ハプニングと言えば『All for One』の公演時に貸切公演があったんです。宝塚ファンの方はよくご存じだと思いますが、貸切公演は終演後に主演のあいさつがあります。(貸切の)主催者の名前、貸切公演名を最初に言って、『御観劇くださりありがとうございました』と。その貸切公演名がすごく長かったんです。貸切していただいているし間違えてはいけないということで、公演中、袖にはけるたびに唱えて練習していたんですよ。そうしたら、(舞台に)出遅れました。

(安藤アナ):遅れちゃったんですか。

しかも、私が(ヒロインの)ルイーズを助けに行かなきゃいけないところで、私が出て行かなかったんです。その公演をご覧になっていた方がいたら、もしかしたら『あの公演』と今気づかれたかもしれない。

キャストも私が出てこないので、立ち回りが多いハードな公演だったから『袖で倒れているんじゃないか』と心配しちゃったみたいです。それでセリフがないお芝居でつないでくれていたんですけど、暁千星くんが血相を変えて「珠城さん!」と呼びに。「は!ごめん!」と言って走って行って、何事もなかったかのように助けに行ったんですけど、自分の中では全然締まらなかったです。

(中島)それはもうドキドキですよね。

そうなんです。私、普段はセリフ飛んだり歌詞忘れたりといった、細かいハプニングやミスが滅多にないんです。だからこそ、やることが大きくて。それは同期からも常々言われていました。下級生の時も「やることが大きいから、初日前とかそういう時は本当に気をつけてね」といつも言われるくらい。

(中島アナ):今聞いているだけでも冷や汗です。

あの時の「やってしまった」という自分の緊張感。その後、皆さんに、上級生にも「本当に申し訳ありませんでした」と謝りました。でも「貸し切りのあいさつの練習していたんだったら許す」と言われて、皆さん優しかったです。

■緻密…男役の「手」のこだわり

(中島アナ):男役としてこだわりを持っていらっしゃるところを教えてください。

そうですね。私は結構、手が大きいというのもあるのですが、どうやったらお客様がキュンとする手の出し方、手の仕草ができるかということは研究していました。男役は基本的にお衣装で肌を露出しないので、顔と手しか出ていない。だから「手の表情」がとても重要だと思っていて、下級生の頃から常々研究していました。

例えば、手を胸の前に持ってくるときに(手の甲の)筋を意識する。あとは手首が折れると、それだけで女性っぽくなるので、いかに手首から手の甲までをまっすぐにキープするか。

手を相手役に差し出す時も(手首を折らずに)まっすぐ。それを意識するだけでちょっと女性らしさがなくなるんです。ちょっとしたことなんです。

(中島アナ):私、珠城さんの手で髪をかきあげる感じのポーズが大好きなんです。

(髪をあかきあげるときは)指の幅や間隔、指の曲がり方。それを意識してやっていました。手の指が揃っているとちょっと子供っぽく、幼く見えてしまう。(指先に)ゆとりとか余裕があることで、色っぽかったり、大人っぽく見えたりするので、あまり力を入れすぎない。宝塚のお稽古場に鏡があるので、見ながら研究していました。

(中島アナ):本当に緻密ですね。

そうなんです。それを下級生の時に計算しながらやると、学年が上がった時に意識しないでもできるようになるんです。

■同期から「優しい気配りの人」の評

(中島アナ):今回、珠城さんに縁の深い方からお話を伺うことができました。まずは同期であり、同じ組でもあった香咲蘭さんに「珠城さんはどんな方ですか」と質問をしましたところ、このような答えが返ってきました。「優しい気配りの人」。

りさ~!うれしい。ありがとうございます。そんな風に言ってくれて。

(中島アナ):具体的なエピソードを教えていただきました。読ませていただきます。「珠城がお化粧替えなどで洗面所で顔を洗っているとき、こっそり近づいて水道の蛇口をあらぬ方へ向ける、といういたずらをよくしていたのですが、『絶対来ると思ったー!』と必ず気配で気づかれます。さすが、いつもよく周りに気を配っている。そして、何度そんないたずらをしても、珠城からの仕返しは絶対されたことがありません。優しいです」

エピソードがかわいい。私が目を閉じて顔を洗っている時に彼女が近づいてきて、すっと蛇口を違う方向に変えるということをやっていたんです。もう近づいてくるだけで「いたずらするよ」という気配がするんです。なので、分かっちゃうというだけで。ワクワクしている気配が彼女からダダ漏れている。同期だから分かるのかもしれないんですけど、毎回いたずら下手だなと。それがかわいくて。いつもふざけていました。

(中島アナ):そしてもう一つとっておきのエピソードということです。「卒業公演の千秋楽で紋付き袴を着るときに、懐に忍ばせておく白いハンカチをそれぞれ事前に用意するのですが、ある日珠城が『これ、私とおそろいで買ったから良かったら使って』と白いハンカチを私の分も用意してくれていたんです。珠城が日頃から好んで使っているガーゼ生地の優しい肌触りと彼女の優しさに、もらってすぐ嬉し涙を拭いてしまいそうでした。今でも大切な宝物です」

ありがとうございます。うれしい。14年間ずっと初舞台から彼女とは本当に長い間一緒にやってきて、たくさんのいろんなことを一緒に乗り越えて経験してきて卒業のタイミングも一緒。私も彼女が最後、隣にいてくれることがとても安心感がありました。私も普段あいさつは慣れていますが、退団のあいさつはとても緊張しますし、特殊なもの。りさも皆様の前でご挨拶する機会も少ないから緊張すると言っていました。

じゃあ一緒に何か持てたらいいなと思って、自分で購入したものです。二人の芸名のイニシャルが「蘭」と「りょう」。Rで一緒なので、イニシャルを入れたおそろいのものを彼女にプレゼントしました。私も今でも大事にしています。

(中島アナ):同期の絆は本当に深いんですね。

そうですね。私も彼女に対して、とても感謝の気持ちがあったので、最後にいろんな思いを彼女に伝えられたらいいなと思いました。

中編に続く)

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アプレジェンヌ 〜日テレ大劇場へようこそ〜 』は日テレNEWS24のシリーズ企画。元タカラジェンヌをお招きし、日本テレビアナウンサーで熱烈な宝塚ファンである、安藤翔アナ(妻が元タカラジェンヌ)、中島芽生アナ(宝塚音楽学校を4回受験)の2人が、ゲストの宝塚時代・退団後の生き方に迫ります。次回は元星組トップスターの紅ゆずるさんです。