【インタビュー】塚本高史 hideさんは“永遠のロックスター” 映画に込めたファン故の“こだわり”と“思い”
■塚本「お声がかからなかったら、すごく嫉妬していた」
1998年、33歳の若さでこの世を去ったhideさん。映画では突然、hideさんを失ったバンドメンバーやスタッフたちが主役不在のままライブをやるのか、CDを出すのかなど、苦悩と葛藤が描かれ、塚本さんはhideさんを支え、hide with Spread BeaverのバンドメンバーでもあったI.N.A.さんを演じました。
――映画出演の話を聞いた時の心境は?
率直にうれしかったですし、僕にお声がかからなかったら、すごく嫉妬していただろうし、どんな作品になるのかなみたいな。だから、僕にお話しいただいてうれしかったです。
――I.N.A.さんを演じると聞いた時の心境は?
hideちゃんの役をやるとなると、もしかしたら断っていたかもしれないですし、I.N.A.さんだからできたっていうところもあったかもしれないですね。
■塚本「“カッコいい”って率直に思えた」
小学5、6年生の時にいとこが聴いていた『DICE』という曲がきっかけでhideさんのファンになったという塚本さん。hideさんの影響でエレキギターをはじめ、中学生の時には父親から誕生日にhideモデルのギターを買ってもらったこともあるといいます。
――hideさんからどのような影響を受けた?
最初に『DICE』を聴いた時の衝撃は覚えていますね。“カッコいい”って率直に思えたのは『DICE』を聴いてなので、小学生の自分がビビッときたんだと思いますね、その瞬間に。最初に『DICE』に出会ってなかったら、ギターもやっていないでしょうし、今でもやっぱり音楽が好き、ギターが好きっていうのは本当にhideちゃんの影響なので、大いに影響は受けていますね。
――塚本さんの考え方にhideさんが影響を与えた部分は?
とてもファンの人を大切にする人なので、その辺の人としてのカッコよさみたいなものとか。僕もふと立ち止まった時とかに、“ファンの人だったらどう思うかな?”とかを考えるのもhideちゃんの影響なのかなとは思いますね。
■塚本「ファンの人にできるだけウソのないように」
hideさんの映画をやるからにはファンにウソはつきたくなかったという塚本さん。hideさんの実の弟でマネジャーの裕士さんとI.N.A.さんが作中で会見を行うシーンでは、2人が会場に入ってくる方向が当初、撮影場所の都合で実際の映像と反対だったといいます。塚本さんは実際に自分が見てきたものと違うことを監督に伝えながら、細部までこだわり一緒に作品を作り上げていきました。
――ファンだからこそ映画でこだわった部分は?
自分が調べたりとか、残っている映像とかを片っ端から擦り切れるほどVHSを見たりとかしていたので、それと同じようなシーンが今回の映画でも出てきたりとかするときに“僕が見ていたのは、ちょっと台本と違いますよ”っていうところで、やっぱりファンの人にも今回の映画をやるにあたってウソはつきたくなかったので、“僕が見ていたものはこういう映像でしたけど、こうなりませんか?”とか。アドバイスというよりは、“僕が見ていたのはこうでしたけど”というディスカッションや相談はありました。
――hide役のJUONさんとのやりとりについて
hide役をやられたJUONくんには、僕の見てきたhide像というか。“プライベートではきっとこういう人だったと思うよ”とか、あとアクセサリーとか。小道具さんが用意してくれていたhideっぽいアクセサリーが僕の中ですごく納得いかなかったので、僕の実際これ(hideモデルのアクセサリー)をJUONくんに撮影の合間だけ貸して、ファンの人にできるだけウソのないようにもの作りさせていただきました。
■塚本 hideさんの存在は“永遠のロックスター”
――塚本さんにとってhideさんはどのような存在?
一言で言うと、本当に“永遠のロックスター”ですね、僕の中では。それに尽きるというか。それは生き方も、格好も。ロックスターです。
――hideさんの残した楽曲について
本当に色あせないですし、改めて聴いてもめちゃくちゃカッコいいですし、だからhideを知らない。Xも知らない。hide with Spread Beaverも知らない。初めて聴いた時に今の10代、20代の子が“誰?”ってなりえますし。この映画をきっかけに、また松本秀人(hideさんの本名)っていうカッコいい人が、音楽、やっていたんだよというのを伝えられればなと思います。