三谷幸喜「自分が面白いと思ったものを」 ヒット作品を生み出す揺るぎない信念
伊丹十三賞とは、デザイナー、イラストレーター、俳優、映画監督など、様々な分野で才能を発揮してきた伊丹十三さんの遺業を記念して創設。これまでに、糸井重里さん、タモリさん、星野源さん、宮藤官九郎さんらが受賞しています。
選考委員会は、三谷さん受賞の理由について「つねに企(たくら)みをもちながら、脚本、演出、エッセイ、コメンテーターなどの仕事に取り組み、独自の境地を切り拓いた予測不能の才能にたいして」としています。
■三谷幸喜、皆が求めるもの「いまだに分からない」
スピーチで三谷さんは、“ヒット作品を期待されること”について「映画が公開されるときに、“今回が一番の僕の代表作になります”と言いますけど、そりゃまあ、そう言わないとね。“2つ前が一番良かったです”と、言えないですから」と本音を明かし、会場の笑いを誘いました。
また記者から、“面白い作品を生み出すための秘けつ”を聞かれると、「毎回、心がけているのは、皆さんは何を面白いと思うだろうか? それを考えたときに、僕には分からないんですね。日本中の皆さんが一番楽しいと思う、笑えるものは何なのか? これだけ長く仕事をしても、いまだに分からないです」と回答しました。
続けて、三谷さんは「じゃあ何をテーマに考えていくのかというと、僕自身が一番そのとき面白いと思うもの、それを形にすることで毎回作品を作っています。できれば僕が面白いと思ったことも、みんな面白いと思ってくれるとうれしいなという思いは常にありますけど。もしそうじゃなかったとしても、僕は自分が面白いと思ったものを作り続けていくと思います」と、作品作りへの揺るぎない信念を明かしました。