「不登校はチャンス」当事者が経験伝える動画甲子園 13歳が学校以外で見つけた“好きなこと”
今年で2回目を迎えた『不登校生動画甲子園』。参加資格は2つで、13歳から19歳までであることと、1日でも不登校を経験した個人・またはグループが対象です。夏休み明けに不登校になる子どもが多く、当事者から“学校に行きたくない”と思っている人たちへエールを送るため、この夏休み期間中の時期に開催されました。
歌手・タレントの中川翔子さんが審査委員長を務め、エッセイストの内田也哉子さん、ロバート キャンベルさんらが審査委員として参加。今年は220の動画がエントリーしました。
■コスプレにマジック…動画で伝える“好きなこと”
日テレNEWSが注目したのは、不登校を経験したことで“好きなこと”や“夢中になっていること”に出会ったことを伝える動画です。
審査員特別賞を受賞したかばちゃん(13)の作品は、「制服は嫌いだ 私が私じゃないみたいだ」という印象的なセリフからスタート。うつむいた表情を見せた後、「こんな私でも コスプレなら なりたい自分になれる」と楽しそうな姿に変身する過程を見せ、「自分の好きを貫きたい。好きなこと、得意なこと どんどん伸ばしていこう。」とメッセージを送りました。
同じく審査員特別賞に輝いたのは、中学2年生の中学生マジシャン大志さん(14)。中学1年生の時に不登校になりましたが、その経験を経て出会ったのがマジック。YouTubeを見て“かっこいいな”と思い、マネをしてハマったといいます。動画では、様々な人たちの前でマジックを楽しみながら披露する姿を見せ、「不登校になったおかげで 夢中になれる事を見つけました! 不登校は悪くない」と、前向きな気持ちを表現しました。
授賞式でもステージ上でトランプマジックを披露し、観客を沸かせた大志さん。「不登校になっていなかったら、マジックに出会っていなかった。将来はプロのマジシャンを目指しています」と、夢を語りました。
■最優秀作品が伝えた「不登校だからこそできる経験もある」
そして、今年の最優秀作品賞に輝いたのが、福岡県の中学2年生・レイマさん(13)です。
レイマさんの作品の見どころは、自身で作った3DCG。小学校6年生の時に3DCGと出会い、小学校の卒業制作で自身で“学校の教室”のアニメーションを作ったといいます。作品ではその教室の3DCGに合わせてメッセージを伝え、「学校でしかできない経験も沢山ありますが 不登校だからこそできる経験も沢山あります」と表現しました。
レイマさんは、「不登校というものは後ろ向きな意見が多いと思います。でも私は、不登校は大事なこと、自分のやりたいこと、好きなことを見つけられるチャンスだと思っているので、そのような思いがこの動画でたくさんの方々に届けることができて、とってもうれしいです」と喜びをコメント。「自分の好きなことを見つけたら、180度世界が変わる」と話しました。
審査委員長の中川さんはこの作品について、「一歩“外に出る”ということだけじゃなくて、自分の部屋にいながらにして新しい夢を見つけて、自分の世界を作ることもできる。これはすごく印象的な最優秀作品だった」と評価。
さらに、「不登校になるときは、自分も将来の不安だったり親御さんも“どうすればいいんだろう”と悩んじゃうかもしれない。その先に必ず自分で未来に向かって羽ばたく瞬間がくるんだ、ということを(作品から)教えていただきました。不登校というネガティブな言葉じゃなくて、自分の道を自分のタイミングで、自分で見つけるための時間だって捉えていけたらいいなと思いました」と語りました。