三島由紀夫の戯曲「葵上」主演へ ミスジャパン3位・大野栞莉さん(25)奮闘
4月、熊本市で三島由紀夫の戯曲「葵上」が上演されます。
主演として舞台に臨む、県内出身の若手俳優を取材しました。
■大野栞莉さん
「あたくしはとにかく用があるの。大事な、是非とも果たさなければならない用が」
美里町出身の大野栞莉さん(25)。
4月14日に上演される三島由紀夫の戯曲「葵上」を稽古中です。
今は芸能事務所の俳優兼社員として働く大野さん。
ことし9月、所属事務所が子どもに演技や音楽を教える学校「九州芸能学館」を熊本市に開くことになり、平日は開校準備にあたります。
■大野栞莉さん
「熊本の芸術を目指す子たちが増えていく学校になるといいなと思いながら、運営に携わっています」
5年ぶりの舞台に向けた稽古は、週末だけ。
練習中の「葵上」は、九州芸能学館の開校記念公演です。
「葵上」は、紫式部の源氏物語に取材した、能楽に基づく現代劇です。
大野さんは、生霊になってまで男の愛を取り戻そうとする女性を演じます。
(稽古)
「あなたの唇」
「およしなさいったら!」
「はじめてあなたにキスした時も、あなたって、そうやって鹿のやうにお逃げでしたよ」
「それはそうです。僕は、別にあなたを愛してなんかいませんでした。子供らしい好奇心があっただけです。あなたはその好奇心を利用した」
■大野栞莉さん
「情熱的に迫って、とにかく私を愛してほしいと迫る役なんですけど、見た人に何かひとつでも残るような舞台を作りたいという気持ちで稽古に挑んでいます」
共演する米園隆稀さんは熊本市出身で、大野さんの事務所の上司です。
■米園隆稀さん
「九州芸能学館の名に恥じない演技と作品に仕上げていかなくてはいけない。栞莉ちゃんの鬼気迫る演技が最近特に思うんですが、はまってきている。お互いに感化しあいながら切磋琢磨しながらやっていけてるとすごく感じます」
演出は劇団ゼーロンの会の上村清彦さん。九州芸能学館では講師を務める予定です。
■劇団ゼーロンの会・上村清彦さん
「まず言葉の美しさ。それから役者、言葉を交わす人の吸う息、吐く息まで計算しつくしたち密な作品なんですよ。言葉を自分の中に沈殿させていって沈殿させて沈殿させて本番でその言葉が体の皮膚をついて出てくればいいかなと思っています」
「葵上」は4月14日、熊本市男女共同参画センター「はあもにい」で上演されます。
■問い合わせ
IIBAグループ・チケットセンター096-327-8583