ミュージカルで舞台に初挑戦!エネルギッシュな57歳女性 元気の原動力は
1月19日と20日、益城町であるミュージカルが上演されます。演じるのは総勢100人。中には57歳で初めて舞台に挑戦する女性もいます。その原動力とは?
益城町で上演される舞台「鶴子の一生」。益城町出身で、女性の地位向上に力を尽くした矢嶋楫子の母・鶴子の視点から子育てのヒントを探る物語です。主役・鶴子を演じるのは、益城町出身のミュージカル俳優で、町の復興大使でもある小松野希海さん。地元の偉人をテーマにしたミュージカルを初めて企画しました。
■小松野希海さん
「ここでしか起きない化学反応がいっぱいできていて、すごくエネルギッシュな作品になっていると思います」
舞台に立つのは、3歳から77歳までの約100人。多くの人が“参加する舞台”でありたいとオーディションで全員を採用しました。
■小松野希海さん
「ミュージカルは、見ると楽しいけど、やるともっと楽しいと思っています。今回、初めての方を含めてやることで、やる側のみなさんの人生と言ったら大きいかもしれないですけど、それが輝くような時間にできたらいいなと思います」
出演者のひとり、太田理会さん。宇土市に住む57歳です。本格的な舞台に挑戦するのは初めてです。ミュージカルは趣味で見に行く程度でしたが、去年、演劇のワークショップに参加したことがきっかけで初めて“演じる側”に。華麗なる転身をとげました。
■太田理会さん
「もっと楽しく生きたいなと思って。大きな声を出したり、表現したりするのは気持ちいいです」
自宅では3人の孫がいるアクティブなおばあちゃん
普段、小学校の教壇に立っている太田さん。教諭歴37年の大ベテランです。高校卒業後、音楽大学へ進学し、ピアノを専攻していました。そんな太田さんの自宅を訪ねると…。
■太田理会さん
「朝から2個回収したんですけど2個産んでる」
自宅で飼育しているニワトリが産んだ“卵の収穫”が朝の日課です。3人の息子を育て上げ、今は、6人の孫を持つおばあちゃんの太田さん。休みの日には孫たちと過ごす時間も多い中、バイオリン教室に通ったり、英会話教室に通ったりとアクティブに過ごしています。
■太田理会さん
「知らない世界がたくさんある。やってみないと面白さもわからないので、まずはやってみることが大事かなと思います」
初めての挑戦となる今回のミュージカルでも、台詞を頭に入れるためノートに書き写したり、録音した台詞を読む声を聞いたり。試行錯誤を繰り返し、楽しみながら練習に励んでいます。
時には家族を巻き込むことも…。
■太田理会さん「久です」
■孫「ひしゃ?」
■太田理会さん「お久しぶりです」
■孫「え~?」
昔から母の姿を見てきた長男の光さんは。
■長男・太田光さん(33)
「日頃から行動力やバイタリティは高いなというのはあるんですけど、ついにここまできたかという話を妻としていました。いいですよね、いくつになってもいろんな挑戦ができて。人生楽しそうだなと。僕もそうありたいと思います」
初めての通し稽古 人前で演じる難しさを実感
本番1週間前。衣装合わせも終わり、初めての通し稽古。演出家や脚本家から細かい指示が飛んできます。
太田さんが孫と練習した物語のクライマックス。回想シーンで、大きくなった鶴子の娘・久子を演じます。
■太田理会さん
「久です。お久しぶりです。お母さんのごつ、子どもたちにいろんなことば教えましたよ。お母さんの孫の(徳富)蘇峰も、世の中のこつばみんなに伝えて、日本の進む道ば…日本の進む道ば…すみません。考える…仕事ばしよるとばい。次男の蘆花が書いた不如帰って本は、日本中の人が読ましたとばい」
台詞が出てこず、人前で演じることの難しさを実感した太田さん。
■太田理会さん
「緊張しました。大丈夫、大丈夫、大丈夫と思っていたんですけど、何だったかなと頭が真っ白になりました。練習します。悲しい~、あんなにお稽古したのに。孫と一緒にこれからも練習します。頑張ります。残念!楽しんで、やって良かったと思えるような舞台にしたい」
「人生をもっと楽しく」。挑戦の先に光り輝く舞台が待っています。
ミュージカル「鶴子の一生」(会場:益城町文化会館)
▼1月19日(金)午後7時30分~
▼1月20日(土)午後2時~
*チケットは益城町文化会館やローソンチケットなどで販売