消えゆく伝統的な景観「日本の棚田百選」にも選ばれた水田が人口減少・担い手不足で姿を消す 大分
課題となる人口減少。その影響は伝統的な景観にも影響を与えています。
「日本の棚田百選」にも選ばれた大分県別府市の内成棚田の課題を取材しました。
別府市南部の山間に位置する内成地区。
急斜面に所狭しと連なる棚田が有名で、その美しい風景は1999年に「日本の棚田百選」にも選ばれました。
しかし・・
◆内成地区 園田喜久男区長
「ここ段々があるやろ。全部(お米)作って。田んぼは割といいんやけど作る人がいないなぁ」
ここにも人口減少の影響が…
担い手不足で美しい景観を織りなす水田が失われつつあるといいます。
1971年に撮影された写真と比べると今、同じ場所ではほとんどの水田が姿を消していました。
水田は1950年ごろには40ヘクタール以上ありましたが、今では26ヘクタールまで減少。
地区の住民も20年で半減し、今は150人に。その6割近くが65歳以上の高齢者です。
◆内成自治区 園田喜久男区長
「後継者がいない。というのが米作ってもあまり収入がない、逆に赤字になる。どんどんどんどん遊休農地が増えていっている」
こうした中でも、棚田の魅力を伝え、担い手の確保につなげようと、地区では毎年、田植えや稲刈りの体験会などの活動に取り組んでいます。
試行錯誤しながら住民たちが棚田を受け継ごうとしているのは何よりも内成のコメに魅力を感じているからです。
◆内成自治区 園田喜久男区長
「(内成地区は)夜と昼の寒暖差が大きい、山の上だから。米が美味しくなる。私は美味しいと思っている。私は元気のいい間は作り続けるかな。赤字になってもな」
広がる人口減少の影響…それでも地域の宝を守ろうと、住民たちは模索を続けています。