リゾートホテル内にガラス張りの縫製工場「アウトドアウェアを通して宮崎の海や山の素晴らしさ伝えたい」セレクトショップの挑戦
インターネットで服を買うのが当たり前になりアパレル業界の形も変わってきた中、機能的でおしゃれな服を展開し人気を集めてきたセレクトショップ wagon (宮崎市若草通り)では、宮崎の魅力を全国に発信しようと新たなチャレンジを行っています。
wagon (宮崎市若草通り)
ノースペースやパタゴニアといった人気のアウトドアブランドなどを取り扱い、多くのアパレルショップが並ぶ若草通りで30年以上続く老舗のセレクトショップ。
wagonが去年新たに作ったのが「wagon青島縫製工場」。
去年6月、ANAホリデインリゾートからこどものくにに抜ける通路に、全面ガラス張りの縫製工場を開設しました。
およそ190平方メートルの敷地に13台のミシンや裁断機などが並び、シャツやパンツなど年間およそ6000着を目標に生産を行っています。
wagonの錦田雅哉社長は、工場を開設した理由について「今までは東京のブランド商品を扱ってきたが、宮崎に住んで生活しているから宮崎らしいものを発信したくなった」と話します。
wagonでは10年前にショートパンツを中心としたオリジナルブランド「short pants everyday」をスタート。
今では関東や関西など全国15カ所で販売されていて、売上げのおよそ半分を占める主力商品に成長しました。
当初は県内外の工場に生産を依頼していましたが、より安定した生産を行うため去年自社工場を開設しました。
工場では20代から70代まで幅広い年齢層のスタッフが働いています。
中には三重県からサーフィンが目的で移住してきたというスタッフも。
来月からは新ブランド「WAGON」がスタート
7月に発売予定 WAGONブランド
山登りで使用できるパンツは180度開脚できる「ガゼットクロッチ構造」を施すなど、品質と機能性にこだわった商品に仕上がりました。
縫製地には「宮崎市青島」の文字
キャンプで使用することを想定して作った新ブランドのシャツ
袖口はストレッチ性のあるバインダーニット仕様で、まくらずにスッと上げやすいような工夫が。
また、首の後ろの日焼けを防止するため普通のシャツより2センチほど襟を高く作ったり、チャック付きの胸ポケットはスマートフォンが収まる大きさになっています。
自社工場ができたことで縫製チームとスムーズにコミュニケーションがとれるので、作業がスピーディーになったといいます。
錦田社長は、品質向上はもちろん、服作りの可能性が広がったことも大きいと話します。
- 【話:wagon 錦田雅哉社長】
流行を追わないので、傷んだものを修理したり、本当にダメになったらまた同じようなものを買えたりなど、道具として使ってもらえるような服を作りたい。宮崎・九州発で、海や山を楽しむためのアウトドアブランドを思考して全国に広めていきたい。宮崎の自分たちの工場で作って発信して皆さんに喜んでいただけたら。
セレクトショップにも選ばれるための独自性が求められる時代。
錦田社長は「アウトドアウェアを通して宮崎の海や山の素晴らしさをより多くの人に知ってもらい、観光面にも貢献していければ」とも話しています。