値上げ&コロナ禍に負けるな! 「詰め放題」「半額以下」などお得なサービス登場
原材料費の値上がりや、新型コロナウイルスの影響による客足の減少で、飲食店などが苦境に立たされています。それでも、なんとか客に喜んでもらおうと、「お得なサービス」を打ち出す店を取材しました。
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山梨・笛吹市にある店の前には、開店3時間前にもかかわらず、100人ほどの長い列ができていました。
千葉から来た人
「家2時半ぐらいに出てきて」
東京から来た親子
「3時半ぐらい(に起きた)」
寝る間も惜しんで並ぶお客さんのお目当ては、きな粉とお餅、濃厚な黒蜜の組み合わせがたまらない、1つ182円の「桔梗信玄餅」です。その詰め放題は、なんと1回220円です。
始める前に袋を伸ばすのは当たり前。真剣なまなざしで袋詰めしていきます。
お客さん
「できました! これで…15個」
「19個入りました」
十数個の人が大半を占める中、「20個です」と言うのは常連のお客さん。20の大台にのせました。ただ、今年の詰め放題に“ある変化”を感じたといいます。
お客さん
「コロナで今の形になっちゃって、前は『何個でも、詰められるだけ詰めてください』だった」
これまで、詰め放題は不特定多数の人が集まり、商品の山から好きなだけ取っていました。現在は密を防ぐため、区切られたテーブルで袋詰めするルールになっていました。
問題は他にもありました。値上げの波です。
桔梗屋 製造部次長 塚原弘明さん
「材料の砂糖や、もち粉等、さまざまなものが値上がりしている」
桔梗屋では、提供できる期限が間近になったものを集めて、詰め放題の商品として出す工夫をしています。
塚原さん
「無駄をなくすという取り組みが、値上げをせず、この物価高に持ちこたえる戦力になっている」
こうした値上げや、コロナと戦いながらのお得なサービスは広がりを見せています。
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東京・中野区にある和食チェーン「和食さと 堀越学園前店」では、エビの天ぷらが2尾入った646円の天丼を、半額以下の322円で販売するキャンペーンを始めました。(平日限定、来月10日まで。売り切れの場合があります)
お客さん
「物価上昇もしている中で、こういうキャンペーンをやっていただくことで、購入しやすいなぁと」
消費者にとっては、うれしい半額の天丼。値上げが相次ぐ中、大胆な手を打ったのにはワケがありました。
和食さとマーケティング部 山口博人さん
「コロナの第7波が迫っている中で、お持ち帰りのニーズ、こちらも増えている」
持ち帰り需要の高まりから、キャンペーンをきっかけに店舗を知ってもらおうという狙いがあるといいます。
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ピザチェーン店「ドミノ・ピザ」でも、値上げの波を感じさせない取り組みが行われていました。
ドミノ・ピザジャパン ストアマネージャー 梅本紡生さん
「Lサイズのピザを1枚買っていただくと、Mサイズのピザ2枚」
Lサイズのピザ1枚を買うと、対象となるMサイズのピザが2枚無料でもらえるキャンペーンです。(デリバリー限定)
実は、このキャンペーンは1か月前にもやっていました。
梅本さん
「(前回は)準備が十分にできておらず、人員の面だったり、食材、包材の面でお客様に大変ご迷惑をかけてしまいました」
想定をはるかに超える需要に、一部の店舗では受け付けできない事態になりました。前回の反省を生かし、今回は人員や食材などを増やしているといいます。
さらに、ドリンクや塩あめを用意し、従業員の暑さ対策も万全です。
配達員
「本当に助かります」
梅本さん
「今回はしっかり準備して、できる限り全力で、お客様にピザをお届けできればと思います」
キャンペーンは31日までです。