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福島第1原発で爆発と白煙 建屋屋根崩落か

2011年3月12日 20:22
福島第1原発で爆発と白煙 建屋屋根崩落か

 福島第1原子力発電所1号機付近で12日午後3時半過ぎ、直下型の大きな揺れが発生し、大きな音と白煙が確認された。「東京電力」によると、12日午後3時36分頃、復旧作業中に起きたということで、原子炉の建屋の屋根が崩落したとみて詳しく状況を調べている。

 これにより、原子炉内に水を入れる作業をしていた東京電力の社員2人と作業員2人の計4人が、骨折をするなどして病院に搬送されている。いずれも意識はあるという。

 この爆発より前の12日午後3時29分には、山側でモニタリングカーが1015マイクロシーベルトアワーの放射線量を測定していたという。この数値は一般の人が1年間に浴びる放射線量の値に匹敵するもの。東京電力では、制限値を超える500マイクロシーベルトアワーを超えたことから、原子力災害対策特別措置法第15条に基づき、放射線量が異常に上昇したことを国に報告した。

 こうした事態を受けて、枝野官房長官は12日午後6時前から緊急に記者会見し、福島第1原発で爆発的事象があったことを明らかにするとともに、放射線レベルは想定の範囲内で、落ち着いて行動するように呼びかけた。また、万一に備えて、放射性物質が体内に吸収されるのを防ぐためにヨウ素の準備もしているという。

 福島県によると、国からの指示で福島第1原発の避難指示範囲を、これまでの半径10キロから半径20キロに拡大した。福島県は一度は福島第2原発の避難指示範囲を半径20キロに拡大をすると発表していたが、これまでのまま半径10キロであると訂正した。