“値上げラッシュ“でも満足感を… 飲食チェーンの新戦略
外食チェーンが一部商品を値上げするなど、値上げラッシュが相次いでいます。そんな中、飲食チェーンがお客さん獲得のために、満足感を高める調理法や、今までになかった食べ放題を提供するなど、工夫をこらしています。
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全国チェーンのファミリーレストラン「ガスト」は、手頃な価格も魅力の1つですが、今回、あえて看板メニューの「ハンバーグステーキ」の価格を50円値上げしました。とはいえ、単なる値上げではありません。
お客さん
「“リニューアル”しているなら、食べてみたい」
チーズをお肉で包み込む「チーズINハンバーグ」の製造工程を応用し、お肉でお肉を包み込む「肉in肉」というオリジナル製法を開発したということです。従来のハンバーグよりも、ふっくらジューシーに仕上げ、満足感が得られるようボリュームもアップしています。
価格を少し上げてでも、商品の質にこだわった理由を聞きました。
すかいらーくHD広報室 山田 剛司さん
「今、世の中で、様々なモノの値段が上がっていますが、商品の品質を上げて、お客様の選択肢を広げて、少しでも外食を楽しんでいただければと」
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6月1日から、カレーハウスCoCo壱番屋、ケンタッキーフライドチキン、富士そばなどの外食チェーンが一部商品を値上げしました。
他にも様々な食品が上がる中、「食費を節約したい」と考えがちです。しかし、ファストフードチェーンの「モスバーガー」では、そんな考えとは真逆の“高級感”をあえて打ち出しました。
5月に、夜限定メニューとして「夜モスライスバーガー よくばり天 金目鯛とかきあげ(塩だれ)」の販売を開始しました。定番の海鮮かきあげの上に乗っている天ぷらの具材は、なんと高級魚として知られるキンメダイです。ボリュームもたっぷりです。
モスバーガーとしては“史上初“の夜メニューに乗り出した理由を聞きました。
モスフードサービス商品開発部 永野志津夫さん
「どうしてもハンバーガーというと、やっぱりパン食ということになると思うので、どうしても、夜の食事には向かないのかなと」
他にも、夜メニューとして、肉の量を2倍にした「夜モスライスバーガー よくばり焼肉」を販売しています。少し価格が高くても、これ1つで夕食として満足できるライスバーガーに新たな需要を見いだしたということです。
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焼き肉食べ放題と言えば、肉をどれだけ食べられるかが勝負です。そんな常識を覆したのが、焼き肉チェーンの「安楽亭」です。
一部店舗を除き、5月31日から、肉をたくさん食べる自信がない人でも安心な「ピタ放題」と「ゼロ放題」の販売を開始しました。
お客さん
「男性・女性で行ったとき、圧倒的に男性の方が食べる量が多い」
「ピタ放題」は松竹梅3種類から選ぶ、お肉の盛り合わせと、からあげやスープなどのサイドメニュー80品以上が食べ放題です。
一方、「ゼロ放題」は焼き肉はなしで、サイドメニュー80品以上が食べ放題となるメニューです。
焼き肉チェーンなのに、食べ放題から焼き肉を外すという大胆な戦略を打ち出した理由を聞きました。
安楽亭・営業企画部 吉井朋美さん
「小さいお子様がいると、お肉はそんなに食べないけど、例えば、サイドメニューのポテトやからあげなど、ちょうどいいかたちでご注文していただける。シニアの方含め3世代で、お楽しみいただける」
安楽亭では、焼き肉を外したお得な食べ放題メニューを出すことで、より幅広い世代の利用を見込んでいます。