×

経済立ち直ってくる…経団連会長が年頭所感

2015年1月1日 0:48

 経団連の榊原定征会長が年頭の所感を述べた。「2015年は消費税率の引き上げがない年となり、経済が立ち直って来る年だ」との見解を示した。

 榊原会長は2014年について、経済の回復に一条の光が差し始めた「光」の年だったと振り返った。その上で、未(ひつじ)年の2015年は「羊に羽をつけると飛翔の“翔”という字になる」と述べ、飛び上がる年になるとの期待を示した。

 具体的には2014年4月に実施された消費税増税の“反動減”は完全に克服され、設備投資も雇用情勢も堅調で、GDP(国内総生産)成長率は民間シンクタンクの予想する1.7%を上回るとの見通しを語った。このため、収益を上げた企業は設備投資や賃金の引き上げに最大限努力するよう呼びかけていくとし、連合(日本労働組合総連合会)が求めている2%以上の賃上げについても、「対応できる企業は選択肢にしてほしい」と求めた。

 また、経団連は1日、榊原会長の指示の下、日本再生のためのビジョン(正式名称「豊かで活力ある日本」の再生)を公表した。2030年に日本が人口1億人を維持し、成長国家としての基盤を確立しているために、国や企業がすべきことをまとめたもの。榊原会長は特に、時代を牽引する新たな産業を起こすことが大事だと述べた。

 カギとなる新規産業としては「人工知能・ロボット」「スマートシティ」「航空・宇宙」などの6分野が掲げられた。榊原会長は「現状に甘んじていたら日本は未来のない暗い国になってしまう。そういう国にしてはいけない」と述べ、明るい未来にするために、経済界が「日本再生のためのビジョン」に基づいてこれまで以上に積極的な研究開発、設備投資を行っていくよう働きかけていく意欲を示した。