TPP 大筋合意の見通しも会見延期
アメリカ・アトランタで開かれているTPP(=環太平洋経済連携協定)の閣僚会合で、甘利経済再生担当相は大筋合意するとの見通しを発表した。しかし、共同記者会見の延期が決まった。
甘利経済再生担当相は、約10時間前に大筋合意の見通しを発表したが、共同記者会見は現地時間の5日へ延期に。TPP交渉は6日目に突入する事になった。
甘利経済再生担当相「昨晩からの夜を徹した折衝で医薬品、乳製品と自動車原産地規則の、残された課題につきまして大きな前進があったとの報告を受けました。きょうの午後、閣僚全体会議を開き、そのうえで大筋合意を発表する共同記者会見を開く準備が、整ってきていると考えております」
甘利経済再生担当相は日本時間5日未明、このように述べ、最も難しい問題とされた、バイオ新薬の保護期間でアメリカとオーストラリアが折り合った事などから、交渉が前進し、共同記者会見で大筋合意が発表できるとの見通しを示した。
また、安倍首相にも報告したことを明らかにし、「非常に喜んでおられた」と話した。しかし、最後の詰めにはまだ時間が必要だったようだ。日本時間5日午前5時から予定されていた共同記者会見は、何度かの延期を経て、現地時間の5日朝(日本時間5日夜)に繰り下げられた事がわかった。
交渉関係者によると、議長国アメリカのフロマン通商代表が、合意文書のチェックをはじめたという事で、各国の閣僚もそれを待っている状態とみられている。
メキシコ・グアハルド経済相「残る決断をした大臣は会合が終了するまでいる。それは今夜か深夜か未明かもしれない。いずれにしても交渉決着までいるよ」
TPPは、モノの関税だけでなく、サービスや投資の自由化を進めるために広い分野で共通のルールを構築するもので、決めるものの数は膨大。大きな懸案事項はまとまったものの、細かい分野などでまだ決まっていない事は多く、そうした詰めも行われているものと見られる。
最後の閣僚会合を経て、正式に合意となれば、世界最大規模の経済連携協定が誕生する事になるだけに最後の最後まで慎重な詰めが行われている模様だ。