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TPP閣僚会合 大筋合意の準備が整う

2015年10月5日 4:20
TPP閣僚会合 大筋合意の準備が整う

 アメリカ・アトランタで開かれているTPP(=環太平洋経済連携協定)の閣僚会合で進展があった。甘利経済再生担当相が日本時間5日未明、大筋合意の準備が整ったことを明らかにした。

 大筋合意への見通しが立ったことで、現地の雰囲気も慌ただしさを増している。議長国・アメリカの通商代表部は日本時間5日午前5時過ぎから、閣僚全体による共同記者会見を行うと発表した。しかし、2時間ほど遅れるとの情報もあり、最後までぎりぎりの詰めが行われていることがうかがえる。記者会見を前に、閣僚全体による最後の会合が行われる見通しだが、まだそれも始まっていない。甘利経済再生担当相は会合を前に、大筋合意の準備が整ったことを自らの口で説明した。

 甘利経済再生担当相「昨晩からの夜を徹した折衝で、医薬品、乳製品と自動車原産地規則の残された課題につきまして、大きな前進があったとの報告を受けました。きょうの午後、閣僚全体会合を開き、その上で大筋合意を発表する共同記者会見を開く準備が整ってきていると考えております」

 大筋合意は、最大の課題であったバイオ新薬の保護期間について、アメリカとオーストラリアが実質8年にするという案で折り合えたことで見通しがついた。これまで反対していたチリやペルーも納得できるかどうかだが、甘利経済再生担当相は「了解できると思う」と述べ、大筋合意に向けた最後の障害にはならないとの考えを示した。さらに、甘利経済再生担当相は、安倍首相にも報告したことを明らかにし、「非常に喜んでおられた」と話した。

 日本が参加してから2年以上続いた交渉。漂流かという観測が何度も流れたが、ようやく大筋合意の見通しがついたことで、日本政府団にも安堵(あんど)の表情が広がっている。