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経済再生 2016年 経団連の立ち位置は

2016年1月2日 23:46

 アベノミクスによる円安の恩恵で、大企業では過去最高益が続出した2015年。しかし、企業の好業績が日本全体にはなかなか行き渡らないジレンマが続いている。

 そんな中、政府は経団連に対し、さらに積極的な経済好転への姿勢を求めている。2016年、経団連は経済の好循環にどう貢献するのか?

 経団連・榊原会長は年頭のインタビューで、2016年は「デフレ脱却」を宣言できる年にすることと、政府の掲げる「GDP(=国内総生産)600兆円実現」への道筋をつける年にしたい、との決意を示した。その上で、経済再生のエンジンはGDPの7割を占める「個人消費」と「民間設備投資」だとの認識を示した。

 個人消費拡大のために、企業ができることは「賃上げ」だとして、これから始まる春期労使交渉(春闘)に向け、企業に3年連続で賃上げを呼びかける方針。企業全体の年収ベースで去年を上回る賃上げとなることを目指す。

 しかし、ベースアップ(ベア)については「3年連続でできる企業と、非常に努力が必要な企業とに分かれる」との見解を示し、全企業にベアの検討を呼びかけた去年とはスタンスの違いを見せた。

 また、成長のもう一つのエンジンである設備投資の拡大については、「今より10兆円増やすことが可能だ」と述べた。そのためには、税制などの面で日本が事業しやすい環境となることが必要で、政府に対して、法人実効税率を数年以内にシンガポール並みの25%の水準まで引き下げるよう求めていく考えを示した。

 一方で、2017年の消費税率の10%への引き上げは、先送りしてはいけないとの考えを強調した。反動減が起きないよう、増税後に住宅や自動車、耐久消費財の購入を促進する税制措置などの準備を呼びかけていく意向。

 榊原会長は政府の経済財政諮問会議の民間議員も務めていて、政権と「車の両輪」で経済再生を目指すとしている。政府に「耳の痛いことも言う」と明言している。消費税増税の実現や社会保障制度の見直しで政府とズレが生じた際に、経済界として渡り合えるのか注目されている。

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