阿蘇熊牧場 経営難でホテル会社に事業譲渡
熊本県の「阿蘇カドリー・ドミニオン」を運営する阿蘇熊牧場が経営難のため政府系ファンドの支援を受け、事業を大阪のホテル会社に譲渡することがわかった。営業は、これまで通り続けるという。
阿蘇熊牧場(阿蘇カドリー・ドミニオン運営)は政府系官民ファンドの「地域経済活性化支援機構」に事業の再生支援を申し込み、25日午後開かれた支援機構の取締役会で正式に決定した。支援機構によると、金融機関に阿蘇熊牧場の債権の一部を放棄するよう要請するという。
阿蘇カドリー・ドミニオンは大阪府のスターゲイトホテルに事業譲渡される予定で、宿泊施設などを新たに整備し、くまモンとのタイアップ企画などで経営を立て直す方針。
小笠原徹朗社長は退任し、スターゲイトホテルの大久保智司社長が熊牧場の社長を兼任する。クマなどの動物はこれまで通り飼育して営業を続ける予定で、従業員約60人の雇用も継続するという。
これに対し熊本県は「経営が安定化することは熊本県の観光にとって非常に重要」と歓迎するコメントを出した。
阿蘇カドリー・ドミニオンは、1973年に「阿蘇くま牧場」として開業し、1999年に「阿蘇カドリー・ドミニオン」に名称を変更した。昨年度の入場者数は約21万人で最盛期の1990年代の半分以下に落ち込み、2015年3月期の純損益は1億2000万円の赤字だった。