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“20人処分”改ざん問題調査報告書を公表

2018年6月5日 1:09

森友学園への国有地売却をめぐる決裁文書の改ざん問題で、財務省は当時の佐川理財局長が事実上、改ざんを指示したと認定し、停職3か月の懲戒処分にするなど、合わせて20人を処分する調査報告書を公表した。

報告書によると、佐川氏は去年2月27日、部下から決裁文書の内容を報告された際、「このままでは外に出せない」と反応したことで、部下の間で文書を直す必要があるとの認識が共有されたという。

また、佐川氏は実務で中心的な役割を果たした総務課長らに対し、「担当者に任せるのではなく、しっかりと見るように」との指示をしたため、総務課長らは文書の内容を直した上で、佐川氏の了解を得ることが必要だと認識したとしている。

また、財務省は文書の改ざんと同じ時期に、森友学園についての問い合わせを記録する応接録を意図的に廃棄していたことが明らかになっているが、報告書によると、廃棄が始まったのは、安倍首相が国会で「もし私や妻が関係していたならば、総理大臣も国会議員も辞める」と答弁した後だとしている。

また、総務課長が、応接録にある安倍昭恵・首相夫人の秘書を含む政治家関係者の名前が記載されている文書のリストを作成し、佐川氏に報告したところ、佐川氏が「交渉記録の保存期間は1年未満という文書管理のルールに従うべき」との考えを示したことから、廃棄するよう指示されたものと受け止めたという。

こうしたことなどから、報告書は文書の改ざんや廃棄について、佐川氏が方向性を決定づけたと認定し、停職3か月の処分とした。佐川氏はすでに退職していることから、退職金約5000万円の中から513万円を減額するという。

また、佐川氏の部下で実務で中心的な役割を果たした総務課長も停職1か月の懲戒処分とした。すでに退職している当時の事務次官や、文書管理の責任者である当時の官房長、現在の理財局長なども監督責任を問い、処分の対象は合わせて20人となった。

麻生財務相は行政全体の信頼を損なったとして、閣僚給与1年分を自主的に返納することを明らかにした。

佐川氏らが改ざんや廃棄まで行った動機について、報告書では、国会審議への影響を極力少なくするためとしたが、麻生財務相は「それが分かれば苦労しない」と述べ、明解には答えなかった。

また、麻生財務相は、改ざんは組織ぐるみだったかと問われると、「文書改ざんのような行為が全省的、日常的に行われているわけではない」と述べ、理財局の問題であり、財務省全体の問題ではないとの認識を示した。

その上で、「二度とこうしたことが起こらないよう、再発防止策をただちに進め、信頼回復に努めていく」と述べ、続投する考えを示した。

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