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経済同友会 財政健全化など集中討議

2018年7月12日 23:16

経営者らをメンバーとする経済同友会は、安倍政権が目標を先送りした財政健全化などについて、長野・軽井沢で集中討議を行った。国の財政規律をチェックする独立した機関の設立を働きかける。

経済同友会は、国の財政健全化が進まない原因や対策について議論した。討議に参加した丸紅の朝田照男会長は、「最大の問題は補正予算だ。毎年毎年、湯水のごとく補正予算に回っている」と指摘し、補正予算が適正か、厳しくチェックすべきだとの考えを披露した。

また、JFEホールディングスの馬田一相談役は、政府は、これまで財政健全化の目標を守れなくても国民から追及されないできたことが、先送りにつながっていると指摘した。

さらに、商船三井の武藤光一会長は、「昨今、企業のガバナンスには(国から)ご指導があっても、国のガバナンスはなってない」と述べ、財政健全化が進まないのは「不人気な政策をとらない政治家の責任」だが、「政治を責めてもなんともならない」として、国民がしっかりすべきだとの考えを示した。

さらに、日本アイ・ビー・エムの橋本孝之名誉相談役も、選挙での得票を気にして政治家ができないのなら、国民投票も選択肢だとの案を述べた。

経済同友会の小林喜光代表幹事は、財政健全化の問題は毎年、最優先課題となる重要な問題だとの考えを示した上で、「税収が伸びても、それを補正予算で使ってしまう、人間の弱さがある。財政健全化の推進は経済界しかできない」と述べ、覚悟を決めて行う最大のテーマだとの認識を共有した。

経済同友会は、財政規律をチェックするための政府から独立した機関の設立について、今後、具体的に構想を練り、提言する予定。