エネルギー、小麦、産業…経済への影響は?<露がウクライナでの“軍事作戦”表明>
ロシアがウクライナでの軍事作戦実施を表明したことを受け、経済への影響も懸念されています。
まず、エネルギー価格が急激に上昇する可能性があります。ロシアは石油や天然ガスなどのエネルギー資源を、ウクライナを経由してヨーロッパ諸国に移送していて、これが途絶えると世界全体での供給量が足りなくなるためです。
これについて政府は、石油は240日分、LNG(=液化天然ガス)も2週間~3週間分の在庫があり、「影響が最小限にとどまるよう国際社会と連携して適切に対応する」としています。
また、ロシアやウクライナは、小麦をはじめ世界有数の穀物の輸出国であるため、小麦製品の価格に影響が及ぶ可能性もあります。
産業の面では、両国は半導体の製造に必要な希少ガスを多く産出していて、この供給が途絶えた場合、世界的な半導体不足に拍車がかかることも懸念されています。
このほか、ウクライナからの輸入額の半分以上を占めるのは、たばこです。日本たばこ産業もウクライナの工場で日本向けの製品を作っていて、「影響が最小限になるよう、在庫の積み増しなどの対策を行っている」としています。
経済の専門家らは「両国とも貿易額としては大きくないので、直接的な影響はさほどない」としながらも、「物価上昇など今後の景気への影響を注視する必要がある」としています。