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日銀「マイナス金利解除」で……家計への影響は “悩ましい”住宅ローン、アナリスト「組むなら今の方が」 銀行預金どうなる?

2024年3月19日 10:14
日銀「マイナス金利解除」で……家計への影響は “悩ましい”住宅ローン、アナリスト「組むなら今の方が」 銀行預金どうなる?

日本銀行が検討してきた、マイナス金利政策の解除。17年ぶりの利上げとなれば、暮らしに大きな影響が及びます。銀行預金の利息や住宅ローン金利はどうなるのでしょうか? 中小企業の賃上げはこれからという今、日本経済全体への影響も見逃せません。

■17年ぶりの転換に?…SNSの声

有働由美子キャスター
「SNSで18日、『家買いにくくなるやん』『利息がどれくらいになるのか楽しみ』という声が上がっています。日本銀行がこの日から行っている金融政策決定会合で、マイナス金利政策の解除などを検討しています」

「解除されれば17年ぶりの利上げとなります。私たちの暮らしは、何がどう変わるのでしょうか?」

■銀行で相次ぐキャンペーン…ナゼ?

小野高弘・日本テレビ解説委員
「ある銀行の広告には『来た。年利0.25%』とあります。この銀行では普通預金の金利が0.001%でしたが、去年9月から、この先を見越して条件付きで250倍も引き上げています」

「他の銀行も『春の定期預金金利引き上げキャンペーン』や『大好評につき第2弾 3か月もの0.4%』などと掲げています。こうしたキャンペーンは一時的なものではありますが、マイナス金利が解除されると銀行預金の利率が徐々に上がっていくことも予想されます」

有働キャスター
「そのため今から競い合うようにキャンペーンをしているのですね」

小野委員
「ただ、今回利上げするとしてもその幅はわずかなので、預金の利率がすぐに大きくなるということはありません」

■住宅ローンへの影響をシミュレーション

小野委員
「もう1つ注意する必要がありそうなのは、住宅ローンです」

有働キャスター
「やきもきしている方は多いと思います」

小野委員
「変動金利型と固定金利型があります。変動型は適用金利が上がったり下がったりする可能性があり、何年も低金利が続いてきたので、7割の人がこのタイプを選んでいます。ではこの先、金利が上がったらどうなるか。シミュレーションしてみました」

「現在、借入金額が3000万円の35年ローンで金利が0.345%だとします。年間の返済額は91万56円です。金利が仮に0.845%まで上昇すると、返済額は年間8万円ほどアップして99万420円となります」

有働キャスター
「これは大きいですね」

小野委員
「こうなると、適用金利が一定の固定金利型とどちらにしようか、悩む人も出てきそうです」

有働キャスター
「住宅ローンの金利は上がっていくことになるのでしょうか?」

小野委員
「住宅ローンアナリストの塩澤崇さんは『新規の変動型ローン金利が0.4%前後で推移する今の流れに大きな変化はないでしょう。ただ、ゆくゆくは金利が上がっていく可能性があり、住宅ローンを組むなら金利が低い今の方が良いのではないでしょうか』と言います」

■金利上昇で日本経済全体への影響は?

小野委員
「日本テレビ経済部の渡邊翔記者は『中小企業の経営者にとっては、金利が上がるとその分銀行からの借入金の返済が負担増になる。賃金アップも求められる中、今後への不安を口にする経営者も多い』と話しています」

有働キャスター
「中小企業の賃上げも、個人消費の回復もこれからです。大事なのは日本の経済が右肩上がりになっていくかどうかなので、日銀は金利の引き上げでどんな影響が出るのか慎重に見極めながらかじ取りしてほしいと思います」

(3月18日『news zero』より)