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東日本大震災から7年半 産業復興の課題は

2018年9月3日 14:25
東日本大震災から7年半 産業復興の課題は

世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見を聞く「opinions」。今回の話題は「東日本大震災から7年半 産業復興の課題」。宮城県女川町で東日本大震災復興や起業支援に取り組む小松洋介氏に話を聞いた。

水産庁が東日本大震災で被災した岩手・宮城・福島など5県の水産加工業者に行った調査によると「生産能力が8割以上回復した」と答えた業者は61%だった。これに対し「売り上げが8割以上回復した」と答えたのは45%にとどまった。

また、復興における問題点として一番多かったのは「人材の確保」次いで「原材料の確保」「販路の確保・風評被害」となっている。


――小松さん、今後、復興を加速させるためには何が一番、必要なんでしょうか。

やはり、人材の確保が大きなポイントになると思います。キーワードとして「採用をアップデート」と書きました。

これからは、国内で人材の取り合いがおこってくると思われます。終身雇用や、ずっとそこに勤め続ける考えを持った人だけではなくなります。

僕らがやろうとしている起業家志望の学生が2年間、新卒で中小企業で経営ポストで働く“ベンチャー・フォー・ジャパン”というプログラムをやるのですが、それが意識しているのはまさにここでして挑戦する人はこれからは長くいるわけではなく、成長したら次に動いていくと、そういう人材の流動化であったり、そういうことも意識した採用が求められるのかなと思います。

まだまだ企業の中には人が足りないからずっとうちで働いてくれる人を探したいという声もあるのですが、もちろん、そういう人材の確保も進めながらも、それだけでは人材は足りないと思います。ですので、そういった人材の流動を受け止めたうえでの、優秀な人材確保というのがこれからは必要になると思います。


――中小企業の経営者の方々は、そういった人材の確保ができ始めているのですか。

僕らの事業のなかでも、一緒に組んでいる企業さんは2年間で、来てもらえる方に成長してもらいつつ、自分たちの会社も成長させる、そんな企業も出てきています。


――一方で、若い人たち、これから就職活動する方々はどのような思いでこの活動に参加されるのでしょうか。

中小企業で学べることというのは、現場から経営まで一気にやれるということなんです。大企業ですと分業されて仕事が分かれてしまうのですが、中小企業ですと何でも仕事ができます。

かつ今回のプログラムでは経営者の右腕ですから、要は経営者と一緒に経営を学びながら自分が将来起業するときに経営をしっかりとできるような力をつけるというところが、モチベーションになって集まってきてくれているのかなと思います。


――就職活動はこれまでのワンパターンのものではないということですか。

これからは全てが一括採用だけではなく、色々と挑戦したいという人や、最初からフリーで働きたいという人など色々出てくると思います。その流れを読むことは、企業さんも大事なのかなと思います。


――来年の春からスタートですか。

そうですね。来年の春からスタートで2年間のプログラムなので2年後の結果がどうなるか、僕らもどきどきしながら準備しています。

【the SOCIAL opinionsより】