経済同友会「過去の延長線上脱する1年に」
経済同友会の小林喜光代表幹事は、2019年を「過去の延長線上から脱する1年にすべき」という提言を発表した。
小林代表幹事は、内閣府の調査で「74.7%が現在の生活に満足している」という調査結果について、「国民の危機感が欠如している」と指摘し、「能天気からどう脱するかが問題だ」と警鐘を鳴らした。
小林氏は、安倍政権発足からの6年で株価が大きく上昇し、企業の経常利益も増えたものの、国の借金も175兆円増えたと指摘。「GDPを60兆円上げるために国の債務が175兆円増えた」と述べた。また、この6年間、日銀の金融緩和策や健全性を無視した財政支出で「時間を稼いだ」にもかかわらず、その間にすべきだった成長戦略が実現していない、と落胆を見せた。
アメリカや中国でメガベンチャーが育ち、経済を活性化しているのに対して、日本には新しい事業の芽が十分出てきていない、との見方を示し、その責任については自分たち企業経営者や官僚にあるとしている。
小林氏は、政治家は選挙で票を得ることを目的とするあまりに短期的な政策を掲げるのではなく、財政の健全化など、戦後100年となる2045年には適正な競争と公正な分配が行われる社会となっていることを目指すべき、と訴えた。そのために、若者に投票行動を促すよう、ネットによる投票など環境整備の検討も必要だと主張している。