東京名物 意外と知らない「江戸前ずし」
東京オリンピックを来年にひかえ海外からの観光客も増えています。東京の魅力をアピールしたいところですが、みなさん、東京の名物をきちんと知っていますか?今回はそのうちの一つ、意外と知らない「江戸前ずし」を浦野モモちゃんが取材しました。
東京オリンピックまであと1年!いま、世界が注目する“東京”。しかし!東京の名物、ちゃんと知っていますか?
そこできょうは、意外と知らない“江戸前ずし”を東京出身のモモちゃんが体験。訪ねたのは、神楽坂にある、江戸前ずしの名店「よね山」。
店主は創業130年を超える江戸前の老舗「銀座寿司幸」で修業を積んだ米山義高さんです。江戸前ずしと聞いて、ちょっと緊張気味のモモちゃん。さっそく、代表的なネタであるマグロの漬けをいただきます。
米山さん「はい、どうぞ」
モモちゃん「(お皿)下ろしていいですか?」
米山さん「普通下ろさない」
ちなみに食べるときは箸でも手でもオーケーとのこと。
モモちゃん「マグロにしっかりとこのタレが染み込んでいて」
米山さん「タレじゃなくて煮切りしょうゆなんですね」
“タレ”ではなく、しょうゆとみりんを煮て作る“煮切りしょうゆ”と呼びます。そして江戸前ずし最大の特徴がこのシャリ。
米山さん「うちは赤酢という赤い酢で。それと塩だけです」
モモちゃん「赤酢と塩だけですか?砂糖は使わないんですね」
実は、江戸前ずしのシャリは、赤酢と塩だけ。意外とシンプル。通常の米から作る酢に比べ、酒かすからつくる赤酢は、酸味がまろやか。この赤酢を使うのが江戸前ずしの特徴です。
なぜ赤酢なのか、それは江戸時代にすしがはやっていたことを聞きつけた、「ミツカン」の創業者が、赤酢を江戸に持ち込んだのがきっかけなんだとか。そして酢飯が甘くなくてもおいしく食べられるのには、ネタに秘密が。
モモちゃん「うん!酸味のあるコハダと砂糖を使っていない酢飯、甘味のある“おぼろ”が入ることで甘さと酸味のバランスがちょうどよくて、おいしいです」
江戸前ずしの特徴、エビで作った“おぼろ”。今では、白身魚などで作る桜でんぶが一般的ですよね。実は、江戸時代には、東京湾でエビがよく取れたため、おぼろもエビで作るのが主流なんだそう。
そして、冷蔵技術がなかった江戸時代。魚を煮たり、酢で締めたり、ネタを長持ちさせて、よりおいしくなるよう「仕事」を施すのが“江戸前ずし”なんです。
ならば知りたい!マグロの漬けのおいしい作り方!
この店のマグロをよく見ると、表面に細かく切り込みが。この切り込みを入れることで短時間でマグロに味が染み込むんです。店では握る5分前にしょうゆ漬け。
こうすることで、黒っぽくなりがちな色味も鮮やかに仕上がるそうです。でもそもそも、江戸時代の江戸前ずしはどんなものだったのか?再現してもらいました。
米山さん「笑っちゃいけないけど、笑っちゃう」
職人もおもわず笑ってしまう大きさ!
モモちゃん「おすしじゃなくておにぎりだ。おっきい!」
横10センチ、高さ4センチの巨大ずし。現代のものと比べるとその差は歴然!まさにおにぎりのように、せっかちな江戸っ子がすぐにおなかをみたせるファストフードだったんです。
【お問い合わせ先】
■神楽坂 鮨処よね山
【住所】東京都新宿区神楽坂6ー66三上ビル1階(花屋さんの奥)
【電話】03ー3235ー3889
【営業時間】平日 午後6時~11時 土日 午後6時~10時
【定休日】水・祝祭日
※前日までに要予約