注目の「デジタル課税」とは? 記者解説
8日から福岡市で開かれるG20(=主要20か国・地域)財務相・中央銀行総裁会議を前に、麻生財務相は、アマゾンやグーグルといった巨大なIT企業などの課税逃れに対応する新たなしくみ作りに意欲を示した。注目の「デジタル課税」だが、ポイントは何か?経済部の鈴木デスクに聞く。
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みなさんは「GAFA」という言葉ご存じだろうか。Googleやアップル、Facebook、アマゾンといった巨大IT企業のことだ。こうした企業は、巨額の収益を上げているのに、それに見合った税金が支払われていない。
国際機関の試算によると、GAFAなどを含むグローバル企業は世界で最大26兆円の課税逃れがあるとされている。もちろん日本にも税金は納められていない。
どうしてこのようなことが起きるのか。それは、何を基準に課税するのかというルールが関係している。たとえば、日本で巨額の売り上げがある会社があったとする。今のルールでは、工場や支店がある国に税金を支払うということになっている。
日本に工場や支店がないと、巨額の売り上げがあってもまったく法人税は支払われない。そこで今回「デジタル課税」という新しいルールを取り入れようとしている。
◆デジタル課税とは?
そもそもグローバル企業は、拠点がなくてもインターネットで自由に商売をしている。そこで、物理的な拠点ではなく、企業の国ごとの売り上げや利用者の数などに応じて税収を各国に配分する方法が検討されている。
また税金がほとんどかからないいわゆるタックスヘイヴンと言われるような国に拠点だけを置いて、課税逃れをすることも防ぎたい考えだ。
今回のG20、日本が議長国としてどこまで議論をまとめることができるか手腕が問われている。