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原発処理水放出1年 全漁連会長が経産相と面会「先見えていない」国の支援求める

2024年8月23日 16:57
原発処理水放出1年 全漁連会長が経産相と面会「先見えていない」国の支援求める

福島第一原発にたまる処理水の海への放出が始まって、24日で1年になります。全国漁業協同組合連合会の坂本会長は斎藤経済産業相と面会し、中国などによる海産物の輸入禁止の影響を訴え、改めて国の支援を求めました。

全漁連の坂本会長は、処理水の放出開始後の国の対応については、「さまざまな支援をいただいた」として、謝意を伝えました。その一方で、中国による日本からの海産物の輸入停止措置の影響が続いていると改めて訴え、「先がまだ見えていない。安心という状況には決してない」として今後も国による支援の継続を求めました。

これを受けて斎藤経産相は、中国などの輸入規制には「即時撤廃にむけてさまざまなレベルで働きかけている」として、「廃炉の完了まで政府として責任をもって対応する」と話しました。

また、斎藤経産相は22日、福島第一原発の溶け落ちた核燃料(デブリ)の取り出し作業の着手が、準備ミスによって中断されたことについて、東京電力に対して、「作業中断に至った要因を確認し、協力会社まかせにせず東京電力自身が全作業に責任をもって取り組み、必要な対応を早急に講じるよう指示した」と明らかにしました。

これについて全漁連の坂本会長は、経産相との会談後に記者団に応じ、「廃炉までの道のりは長いというのはわかっているが、こういうことによってさらにその道のりが険しく遠くなってしまうようでは、我々としては、一体いつになったら漁業を安心してやることができるんだと思ってしまう」と心情を明かしました。「漁業者にこれ以上の不安を起こさせないように、東京電力には緊張感をもってやってもらいたい」としています。