日本の水産物を世界に売り込め!商談会で手応えも 処理水放出からまもなく1年…中国では回転寿司がブーム
日本の水産物を世界に売り出そうと大規模な商談会が開かれ、世界各国が関心を寄せていました。一方で、日本産海産物をめぐっては中国の輸入禁止措置からまもなく1年となります。そんな中、中国国内で日本の“回転寿司”がブームとなっているといいます。そのワケとは…
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日本が世界に誇る、おいしい水産物。魚や水産加工品などの国際見本市「第26回ジャパン・インターナショナル・シーフードショー」が21日から始まりました。国内外から600を超える水産業者が集結しました。
スコットランドの水産業関係者
「日本食が大好きで特にすしと魚が好きです」
サウジアラビアのバイヤー
「ウィー ラブ スシ」
福島第一原発の処理水放出から、まもなく1年。中国による全面的な禁輸が続き、大打撃を受けている日本の水産物業者にとって、世界にアピールする絶好のチャンスです。(水産物の輸出額 去年の上半期2057億円、今年の上半期661億円 ※農水省による)
中でもひときわ“アツく”なったのが、世界各国のバイヤーに日本の生産者らが直接商品を売り込む商談会です。
記者
「日本の(業者の)方々が続々と入ってきています」
インドから来たバイヤーは、ニッポンの魚に興味津々。ホタテを試食してみると…
インドのバイヤー
「とてもおいしいです」
メキシコのバイヤーも…
カンパチを試食 メキシコのバイヤー
「あーうまい」
商談の手応えは…
メキシコのバイヤー
「(メキシコでも)人気出ると思う。(メキシコで)うまくはまりそうなモノは、ちゃんと取引させていただければなと」
商談会を企画した担当者も、手応えを感じています。
ジェトロ農林水産食品部 西浦克次長
「(中国に)輸出できなくなりましたので 直近の輸出統計を見ると、アメリカ・カナダ・ベトナム・タイがかなり伸びている」
そんな中国では21日…
記者
「北京に初めてスシローがオープンしたということで、多くのお客さんが並んでいます」
大手回転寿司チェーン「スシロー」が、北京に初出店。待ち時間は3時間以上の盛況ぶりです。しかし、中国の回転寿司人気はこんなものではなく…。オープンから1時間後には「670分待ち」と表示され、なんと11時間以上の待ち時間に。
激しい競争を勝ち抜き、スシランチを楽しんだお客さんは…
客
「味がおいしい」
「脂が濃くて新鮮です」
「日本文化の雰囲気が濃くて、注文も簡単で便利です。料理が出るのも早い。(回転レーンが)席まで届けてくれるから衛生的」
中国人を魅了した“ニッポンの回転寿司”。中国のある調査では、中国人の7割が「スシが好き」と回答しています。
北京では今年になって「はま寿司」が初めて店を構え、21日に「スシロー」がオープンするなど“日系ブランド”の進出が相次いでいます。
中国に住む日本人の客は…
中国在住 日本人客
「ネタが大きくておいしかったです。えんがわの脂ののり方とかは(日本と)似ていたかな」
日本で食べるスシと、見た目も味もそのままだといいます。
中国は日本産水産物の全面的な禁輸を続けているため、スシローは日本の魚などを使うことはできませんが、ウナギやウニ、アワビなど中国産のものを多くそろえ、仕入れを工夫したということです。
それでも街の人からは…
──日本の魚を食べるのは好き?
「まあまあ好きです」
「日本の魚は種類によるけど、刺し身が好き」
日本の魚を求める声も。
中国で高まる“ニッポンの回転寿司フィーバー”が、中国の禁輸解除への後押しとなるのでしょうか。