“新業態”に“新メニュー”続々 「健康志向」で外食チェーンが新たな一手
コロナ禍から経済が復活する中、外食チェーンが新業態の店舗や新メニューなど、続々と新たな一手を打ち出しています。共通しているのは、「健康志向」です。
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打ち立ての麺を水で締めて食べる。長く親しまれてきた日本そばの店を新たに手がけるのは和食チェーンの「大戸屋」です。13日に神奈川・相模原市に「蕎麦処大戸屋」をオープンします。
大戸屋 蔵人賢樹代表取締役社長
「我々だけでなくて、(コロナ禍で)外食市場全体がダメージを受けていた。お客さまもようやく堅調に推移するような状況になったので」
コロナ禍から復活を遂げた飲食業界の一手がなぜ、そばなのでしょうか。
大戸屋 蔵人賢樹代表取締役社長
「そばという素材が健康的で、健康志向が強いというところから、今回、そばを事業化しようと」
健康志向の高まりを受け、新業態のそば店をオープンします。栄養面でも“健康”を意識し、大戸屋の人気メニュー、おくらやとろろなどをのせた「ばくだん丼」をそばにアレンジしています。
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高まる健康志向に新たな業態の店をオープンした飲食チェーンは、ほかにもあります。
パスタチェーンの「鎌倉パスタ」は先週、新業態の店「おだしもん」をオープンしました。コンセプトは“和風”で、メインとなるのは、かつおやサバなどをブレンドした魚介出汁です。その出汁を注いでお箸で食べるパスタに加え、スイーツには「宇治抹茶モンブラン」を用意するなど、食事だけでなくスイーツにも和をプラスしています。
鎌倉パスタ マネジャー・櫛山樹里さん
「ターゲットを絞った業態というのを複数店舗展開することで、それぞれのお客さまに合った商品提供などができるのではないかと」
また、ターゲット層は健康を意識した女性ということで、パスタを頼むと豆腐の食べ放題がついてくるといいます。
客
「すごくヘルシー。体にあんまり罪悪感がない感じでいい」
「2回目、いくかもしれないです」
鎌倉パスタ マネジャー・櫛山樹里さん
「健康が気になる方とかお食事をいっぱい食べたい人に対して、罪悪感が少なくご提供できるかと思います」
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牛丼チェーンの「吉野家」も、新たな客層を取り込むため、「健康志向」を意識した新メニューを販売しています。
客
「健康を考えたら、よりあった方がいいなと思います」
主力の“牛”にブロッコリーやかぼちゃなどの野菜が加わりました。
吉野家ホールディングス・素材開発部 梶原伸子さん
「野菜と肉をとっていただくというための提案として作ったもの」
“栄養バランス”を意識し、栄養学を専門としている大学と連携している商品「牛丼ON野菜」(657円 ※一部店舗で販売)です。1食で主食・主菜・副菜がそろい、多くの野菜をとる“スマートミール”という健康的な食事を提案しているといいます。
吉野家ホールディングス・素材開発部 梶原伸子さん
「健康的な選択肢というか、牛丼というのがタンパク質もしっかり食べられる食事として、もっと活用していただきたいなと」
コロナ禍でダメージを受けた飲食業界。今後も飲食チェーンの新たな一手がますます広がりをみせそうです。