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男性のサロン評価は「行く前」がカギ…美容で“性別の壁” に直面することは?美容大好き直川貴博アナとトーク

2025年3月7日 13:20
男性のサロン評価は「行く前」がカギ…美容で“性別の壁” に直面することは?美容大好き直川貴博アナとトーク
福島中央テレビの情報番組『ゴジてれChu!』でお天気コーナーを担当する直川貴博アナウンサーとトーク。美容が大好きで、コスメカウンターやネイルサロンによく行くという直川アナは、“性別の壁”に直面したことがあるといいます。

■「男性には…」コスメカウンターで言われた衝撃の言葉

報道局ジェンダー班 白川大介プロデューサー:
直川さんはコスメを買いに行った時に壁を感じたことがあったんですよね。

福島中央テレビ 直川貴博アナウンサー:
デパートの化粧品フロアで、「このアイシャドウ可愛いな」と思って「すいません、これ試してみたいんですけど」と言ったんです。そうしたら美容部員さんに「私たち男性には触れないんです」と言われて。

白川:いくつかの化粧品ブランドに「男性や多様な性の人に対する接客ポリシー」を取材しました。

まずご紹介するのは資生堂さんです。「資生堂グループのブランドを販売する化粧品カウンターおよびパーソナルビューティーパートナーは、すべてのお客さまの個に寄り添った提案を心がけています」。

直川:100人いれば100通りの“個”があるので。

白川:続いて、コーセーさんは、多様性ガイドラインを作成し、活用しているということです。特に、「無意識の思い込みによる発言」が人を傷つけることが多いとして、例えば、「男性がプレゼントを買い求めに来た際に、『奥様・彼女へのプレゼントですか?』と声をかけてしまう」「『男性のお客様だから“男らしい”印象になりたいのだろう』とありたい姿をきめつけてしまう」などの例をガイドラインに示しているそうです。

直川:男性だったら、アイシャドウをする人ってまだ少数派だと思うんですよ。だけど、私のメイクとかを見て「新しいアイシャドウが出たんです」と勧めてくれたりすると、私は意外とうれしかったりするんですよね。普通、男性には勧めないかもしれないものを私にプレゼンしてくれるのが。まんまと買っちゃって大変なんですけど。

■美容院やネイルサロンに行きづらさを感じる男性たち

白川:ネイルサロンを利用する時もハードルがあるということでしたね。

直川:男性が入店できるお店か否かです。美容情報サイトで私はいつも予約をするんですけど、そこで「メンズおすすめ」と書いてあれば男性も入っていいのかな?と。

白川:美容サロンの方向けの調査や研修などをしているホットペッパービューティーアカデミー研究員 の田中公子さんに話をききました。

まず男性美容のニーズの変化について、ホットペッパービューティーに有料プランで掲載している店舗の中で、男性向けのメニューを扱っている店舗の数は、2021年に1万7710件、それが2025年、今年の1月の時点で2万9372件。4年間で1.66倍になったそうです。

サロンのリピート理由を男女別で比べるという調査もあります。女性は、「仕上がり」「施術」「カウンセリング」などのサロンに滞在中の評価が重視される傾向があるんですけど、男性の場合は「予約」など、サロンに行く前のところでサロンを評価する傾向があると。

例えば、施術のイメージ写真に自分に似た人がいるのか、男性の口コミがあるのか。それがないと不安だというような声もあるそうです。

直川:自分も店員の立場になったらどこで線引きをするのか難しいなと。例えばヘアカラーだったら、ショートの男性とロングの女性だったら薬剤を使う量が違うから、そこに料金の階段はあっていいと思うんですよ。だから、男女じゃなくて「何センチ以上」など、わかりやすい指標をつけてもいいのかなと。

白川:田中さんのお話によると、「メンズカット料金」があることによって、「男性が行っていいんだ」というメッセージとして機能する場合もあるけれども、逆に「メンズカット」という書き方をされると、その段階で行けなくなってしまう多様な性のお客さんもいらっしゃるとおっしゃっていました。

■良かれと思ってした施術や雑談が裏目に

白川:僕は男性として生きているし、そこに違和感があるわけではないんですけれども、男性が初めての美容院に行って着席すると、置かれる雑誌が「車」「釣り」「水着の女性が表紙のもの」みたいな。

接客でも「ご結婚はされているんですか?」そうでないなら「彼女はいるんですか?」「どんな女性がタイプですか?」「芸能人で言えばどういう人ですか?」と続くことがありました。結構そういうモヤモヤを抱えている性的マイノリティー当事者の方って多いんじゃないかなって思うんです。

直川:私の場合は、メンズライクにカットするかレディースにするかというのを、初めて行くサロンだと私、めっちゃ言うんですよ。段をつけるとメンズライクに見えてしまうので、上の髪の毛を下まで伸ばしてくださいって。なるべく下まで伸ばすことで、丸みのあるカットになるんですね。私がかわいいな、素敵だな、と思っているショートカットの、ホラン千秋さんや、有働由美子さんみたいに。

白川:報道で2人出してきた!

直川:あら、将来の目標がばれちゃったかしら。

白川:田中さんがおっしゃるには、そもそもLGBTQのお客様がカミングアウトして美容室に行くことが少ないという前提はありつつも、お店側の方に知識がないためにこういうことが起こっちゃうんじゃないかなと。良かれと思って会話をしたつもりが、お客様が離れてしまっていると気づいていないケースもある。さっきの僕でいうところの異性愛前提の世間話とかですよね。

例えば、「LGBTQフレンドリー」と書いたり、自身のSOGIEを書くことでうまくいくサロンもあるということなんで、本来のホスピタリティーを活かして変わっていってほしい。そのための情報を田中さんも発信していきたいというふうにお話しされていました。

※SOGIE: Sexual Orientation(=性的指向)、Gender Identity(=性自認)、Gender Expression(=性表現)の頭文字をとった表現

■Talk Gender~もっと話そう、ジェンダーのこと~

日テレ報道局ジェンダー班のメンバーが、ジェンダーに関するニュースを起点に記者やゲストとあれこれ話すPodcastプログラム。MCは、報道一筋35年以上、子育てや健康を専門とする庭野めぐみ解説委員と、カルチャーニュースやnews zeroを担当し、ゲイを公表して働く白川大介プロデューサー。 “話す”はインクルーシブな未来のきっかけ。あなたも輪に入りませんか?

番組ハッシュタグ:#talkgender

最終更新日:2025年3月7日 13:30
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