円安加速 1ドル=145円突破 日銀は“大規模金融緩和策”を維持で…
円安が加速しています。22日、日本銀行が大規模な金融緩和策の維持を決めると、円相場はついに、1ドル=145円を突破しました。黒田総裁は記者会見を開いて、緩和策維持の理由を説明しました。
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22日も円相場は荒れました。日銀の決定会合の結果が伝わると、ついに1ドル=145円を突破しました。
この円安の“唯一のメリット”ともいわれるインバウンド。東京・銀座にあるデパートでは21日、外国人観光客の入国規制も徐々に和らぎ、準備も慌ただしくなっていました。化粧品フロアはかつて外国人観光客で賑わいをみせていましたが、まだ、その姿はまばらでした。
松屋銀座 顧客政策課・齋藤篤課長
「インバウンドという視点でいくと、円安というのは追い風になると思いますので、そこは期待をしております」
中国人向けのポップや電子決済を新たに導入し、イスラム教信者のために礼拝室も準備しました。
上海から来たという女性3人組は、さっそく導入されたばかりの電子決済で、会計していました。
上海から来た女性
「これは日本の化粧品ですね。これを買って。これがプレゼントでもらって」
約10万円分もの化粧品を買っていました。
――上海と比べて安いですか
上海から来た女性
「まぁまぁね、安いですね。もっと安かったらもっと買うかな」
外国人が恩恵を受ける円安ですが、一方、日本に住む人にとっては、商品の値上げなど、私たちの生活にも大きく影響します。21日、アメリカの中央銀行にあたるFRB(=連邦準備制度理事会)がアメリカの歴史的な物価高を抑え込むため、通常の3倍となる0.75%の大幅な利上げを決めました。
このため一時、1ドル=144円後半まで円安が加速しました。さらに22日正午前、「日銀が、大規模な金融緩和策を維持する」と伝わり、ついに145円を突破しました。
各国で金利が引き上げられる中、いわば、世界で孤立したともいえる日本。ことし1月には1ドル=115円だった円相場が、この8か月で30円も円安に進んだことになります。
22日午後3時半すぎ、会見を開いた日銀の黒田総裁は、大規模な金融緩和策の継続を改めて強調しました。
日銀 黒田東彦総裁
「当面、金利を引き上げることはない。十分議論して金融緩和を継続」
急激に進む円安については――
日銀 黒田東彦総裁
「(経済の)先行きの不確実性を高め、我が国経済にとってマイナスであると思います」
黒田総裁が会見するさなか、円安はさらに加速し一時、1ドル=146円目前まで迫りました。金融政策を変えない中、政府・日銀はどう対応していくのか、手腕が問われます。