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【解説】KDDI通信障害“長引く影響” 頼みの綱「公衆電話」に注目?

2022年7月4日 20:41
【解説】KDDI通信障害“長引く影響” 頼みの綱「公衆電話」に注目?

KDDIは4日午後4時すぎ、2日に発生した通信障害について、音声通話・データ通信共に、ほぼ回復したと発表しました。現在は、通話品質などの最終確認をしているということです。こうした中、いざという時には、どうすればいいのでしょうか。

「影響はこんな所にまで」、「つながらない…どうした?」、「いざという時の備え」、以上の3つのポイントについて、詳しく解説します。

■KDDI通信障害 本格的な再開時間は改めて発表へ

KDDIで通信障害が発生したのは、2日午前1時35分でした。KDDIは、3日午後5時半ごろには復旧作業そのものは終えましたが、最終的にネットワークが正常に動くかを検証するために、通話量は制限されていました。

この検証はまだ続いていて、本格的な再開・全面復旧の時間は改めて発表されるということです。

最大で3915万回線に影響があった今回の通信障害について、auユーザーからは、次のような声が聞かれました。

「いまだにつながらないです。通話とメールが一切できませんから、困っています。母が高齢施設にいるので、いつなにがあるか、分からないということで」

「病人がいるんで、病人に何かあったとき、困るんですよね。『救急車は近くのところで呼んでくれ』というけど、いま公衆電話だって探したって、そんなにないんですよ」

■KDDI通信障害 事業者にも影響広がる

au・UQモバイル・povoのスマートフォンや回線を使うのは個人だけではありません。さまざまな事業者などにも、通信障害の影響は広がりました。

物流のヤマトホールディングスでは、ネットで配達状況を確認できるシステムの情報が更新されず、配達員の携帯も不通になりました。

気象庁では、多い時で約500の観測地点からの気温や降水量のデータを送ることができませんでした。他にも、大垣共立銀行ではATMが一時的に利用できなくなり、セコムでは高齢者の見守りアプリが利用しづらくなるなど、影響が広がりました。

また、新型コロナウイルス感染者の健康観察にも影響が出ています。東京・足立区では自宅療養者約70人と連絡がとれず、結果として、固定電話にかけたり、自宅訪問を行ったりするなどして対応したということです。

■“頼みの綱”公衆電話に注目も…

今回のトラブル、みなさんはどのように対応したのでしょうか。

まずは、固定電話の利用です。ただ、家に固定電話がないという人も、今は多いです。また、ネット上では、LINEなどのアプリでメッセージのやりとり、通話を行ったという声が多くありました。

■公衆電話を見たことがない人も…

そして、今回、注目されたのが、公衆電話です。

ITツール・Webサービス比較サイト「STRATE」が行った15歳から24歳の男女300人を対象としたアンケートによると、「公衆電話を使ったことがありますか?」という問いに、約3割が「使ったことがない」、約1割が「そもそも公衆電話を見たことがない」と答えました。

通話ができない場合、頼みの綱となるのは、公衆電話です。Wi-Fiスポットを兼ねている電話ボックスもあります。自宅や職場の周辺で、どこに公衆電話があるか、この機会にぜひ確認していただきたいと思います。

もう1つ見落としがちなのは、お子さんの生活ルートです。特に、都市部では、通学や習い事で電車に乗るお子さんも多いです。一度、親子で一緒に移動しながら、自宅から学校や塾などの行き先の途中、「ここに公衆電話があるね」とチェックして、ぜひ電話をかける練習も一緒にしていただきたいです。

■携帯電話を2台持つ対策も…

他には、普段使うメインの携帯電話以外に、もう1つ携帯電話を持つやり方があります。普段使うキャリアとは別回線を使う会社を契約しておきます。「使った分だけ支払う」という料金プランを選んでおくと、基本料は月額・数百円から1000円程度のものがあるということで、ある種の保険と言えます。

今回、最も深刻だったのが、110番・119番につながらなかったことです。宮城県仙台市では、体調不良の男性が携帯から119番通報できず、消防署に駆け込んだ事例がありました。

北海道では、遭難した登山客2人が消防や警察に携帯から電話をかけることができず、LINEの通話機能を使い、知人に自分の居場所を伝え、救助要請を伝えたということです。その後、無事救助されたということです。

     ◇

今回の通信障害で調べてわかったことの1つが、携帯電話の通話ができない時に、自分で緊急通報する他の手段、アプリなども見当たらなかったことです。災害の時を考えても、誰もがいつでも簡単に通報できる代わりの仕組みを整える必要があるのではないかと思います。ぜひ、今回の教訓を生かして、次に備えていただきたいです。

(2022年7月4日午後4時半ごろ放送 news every.「知りたいッ!」より)
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