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「パン」「東京土産」も…広がるカプセルトイの世界 “企業コラボ”なぜ人気? 本物以上の反響も

2023年10月26日 10:26
「パン」「東京土産」も…広がるカプセルトイの世界 “企業コラボ”なぜ人気? 本物以上の反響も

カプセルトイで企業とコラボした商品が人気を集め、楽しみ方が広がっています。SNSでの反響が本物以上にあった例や、人気商品が専門店で半日で完売することもあります。コラボは企業の新たな宣伝ツールとして注目され、本の付録などにも広がっています。

■専門店「半分ぐらいは企業の商品」

東京・渋谷にあるカプセルトイ専門店を訪ねました。

来店客が「あ、かわいい! かわいい!」と購入していたのは、パンメーカーの商品のカ
プセルトイ。袋の中のパンも細かく再現されています。同じく手のひらサイズのコーヒー牛乳もあり、「めちゃくちゃかわいい!」という声が上がりました。

1700台以上のカプセルトイ販売機があるこの専門店では最近、こうした企業コラボの商品が増えているといいます。スタッフは「半分ぐらいは企業の商品ですね。早いものだと半日で売り切れます」と話します。

■来店客「企業コラボは再現度が高い」

別の店舗でも「あ! 当たった! すごい。すごーい。めっちゃうれしい」と喜ぶ客の姿が。お目当ては沖縄で有名なアイスのカプセルトイで、ロゴのデザインが好きだといいます。

気に入っているデザインをストラップにしているという別の来店客は、「来い、白くま」と祈りながらハンドルを操作。「やった、白くま出ました! 再現度が高いですよね、やっぱり企業コラボは」とうれしそうに話していました。

小さくてかわいい見た目と、本物のような精巧な作り。SNSでは自分でミニチュアの世界を作ったり、実際の商品と並べて撮影したりするなど、さまざまな楽しみ方が広がっています。

■専門家「広告媒体としてメリット」

洋菓子メーカー「株式会社グレープストーン」では、カプセルトイ開発の打ち合わせが行われ、「黄色のイメージはあっていいかなと思っていて…」と意見が出されていました。東京土産として有名な「東京ばな奈」のカプセルトイを作るといいます。

東京ばな奈の担当者は「ガチャだと全国で買えるので、ガチャで初めて知ってもらうとかでもいいな(と思います)」。4月に第一弾を発売し、売り切れの店舗が続出。公式 SNSでは新商品を発売するより、カプセルトイを出した時の方が反響が大きかったといいます。

企業コラボの広がりについて日本ガチャガチャ協会代表理事の小野尾勝彦さんは「企業側からすると(コスト面での)リスクもなく、新しい広告の媒体としてはメリットがある」と分析しています。カプセルトイが、新しい宣伝ツールになっています。

■書籍コーナーで販売…本物と同時購入も

その動きはカプセルトイ以外でもあります。例えば本の付録では、食パンのパッケージをポーチにしたことが話題になり、発行部数10万部を超えたケースもありました。

他にも消しゴムやカップ酒など、企業コラボの商品をコンビニの書籍コーナーに置くことで、本物の商品と一緒に購入する人も多いということです。

■辻さん「顧客と新しい接点ができる」

中島芽生アナウンサー
「いろいろなものがあります」

辻愛沙子・クリエイティブディレクター(「news zero」パートナー)
「私も家にあるお気に入りのイスのカプセルトイバージョンが発売された時は、全種類出るまでやりました。顧客との新しい接点ができるのは、企業もうれしいですよね」

(10月25日『news zero』より)